妊娠中の症状…つわりについて

昔から妊娠すると味覚が変化したり、すっぱいものが欲しくなる等言われていますが、実際に起こってきます。その症状は個人差が様々あり、つわりで全く食べられなく人もいれば、食べないと具合悪くなる食べづわりの人もいます。また、においに敏感になったり、口腔内に不快感を伴う場合もあります。今回、とくに妊娠初期に出現する、つわりについて説明していきたいと思います。

まとめ

・つわりが重症化すると、悪阻と言われ治療を要する。
・食事や水分摂取量、体重変化、尿検査などで重症度を判定する。
・治療は、食事・水分摂取、吐き気止め、ビタミン剤、点滴などがある。

つわりとは

妊娠すると、つわりと呼ばれる吐き気などの症状が出現します。症状の程度はありますが、多くの妊婦が経験します。妊娠に伴うホルモンの変化が主な原因と言われています。
症状は、悪心・嘔吐・食欲不振など消化器症状や、人によって食べないと具合悪くなる「食べづわり」、においに敏感になったり、味覚が変化したり、食べ物の趣向が変わる人もいます。

つわりと悪阻

簡単にいうと、つわりの症状が重症化して、全身状態が悪くなった状態を、悪阻と言います。妊娠12-16週程度には、自然に改善することが多いです。
妊娠16週以降に発症した場合や、妊娠後半まで症状が持続する場合は、他の病気が隠されている可能性があり、注意が必要です。

重症度の評価

重症度判断のために体重測定します。5%以上の体重減少がある場合は注意が必要です。 尿検査でケトン体の有無を検査します。これは、体に十分なエネルギーが足りない飢餓状態になると出現してくる物質で、それを検査します。

治療

治療は、心身の安静と休養を心がけ、少量頻回の食事摂取・水分摂取を励行します。食べられるもの食べやすいものを選んで、少しでも口にすることが大切です。
また、吐き気止めを使用して症状を和らげます。脱水所見を認める場合は点滴で水分・電解質を補います。とくにビタミンB1が不足するとウェルニッケ脳症が引き起こされます。眼球運動障害・失調性歩行・意識障害などの症状を呈します。

つわりとビタミン

ウェルニッケ脳症を予防するため、ビタミンB1入りの点滴を使用することが多いです。
ビタミンB6を投与することで、つわり症状が緩和する効果もあります。
マルチビタミン(ビタミンA1・B1・B2・B6・B12・C・D・E・葉酸ミネラル等含有)の投与で、つわり予防効果があるとの報告もあります。ただし、ビタミンAは過剰摂取により胎児形態異常率が上昇するとの報告があり、摂取量を守ることが重要です。

血栓症の予防

重度の場合は脱水から血液がドロドロとなってしまい血栓形成する可能性あります。とくに妊娠中というだけで、血栓リスクは上がるので重度の悪阻の場合は血栓予防が重要になってきます。
血栓予防のために、弾性ストッキングの着用・簡単な運動・フットポンプ・抗凝固薬(血液をサラサラにする薬)などを用いることがあります。

まとめ

つわりは悪心・嘔吐・食欲不振など様々な症状を呈します。つわりが重症化すると、悪阻と言われ治療を要します。食事・水分の摂取量、体重変化、尿検査などで重症度を判定します。
治療は、食事・水分摂取、吐き気止め、ビタミン剤、点滴などがあります。重症の場合、血栓症に注意が必要です。

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投稿者: babatti3

 はじめまして。私は産婦人科医として総合病院で働いております。  女性の健康上の問題があったとき、なかなか人に相談できないこともあるかと思います。たとえば、「妊活したいが何をすればいいの?」、「妊娠したかもしれないがどうすればいいの?」、「妊娠中にやってはいけないことは?」「月経の量が多いですが大丈夫ですか?」「更年期症状が気になります」など様々な悩みがあります。  日々の診療で培われた知識・経験などを活かして、すべての女性の健康上の悩みに対して手助けとなるような情報を発信していきたいと思っております。  また2児のパパでもあり子育て世代にとって有益な情報や、趣味のジョギングに関する情報なども発信していきたいです。よろしくお願いします。

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