安全な手術のために…術前検査

手術をより安全に行うために、手術を行う前に準備など必要です。その一つとして、手術前に行う術前検査があります。
術前検査は、手術可能な状態なのか判断するとともに、手術後になにか合併症など起こった場合に比較するための基準にもなります。今回は術前検査について説明していきます。

まとめ

・手術を安全に行うために、検査によって状態を確認する。
・血液検査、尿検査、心電図、レントゲン、肺活量など検査おこなう。
・手術前後で合併症など起こった場合に、その前後で検査結果を比較することができる。

血液検査、尿検査

血球、生化学、凝固系、血糖値、感染症、血液型など測定します。
血球では、白血球、赤血球、血小板など血球成分を測定します。

尿検査は蛋白尿・尿糖の有無や尿中の白血球などを確認します。

生化学では、肝臓の機能・腎臓の機能・ミネラル分である電解質などを測定します。手術前後で薬剤使用する場合に、腎臓の機能が悪化している場合は、量の調整が必要になってくる場合があります。また、薬剤によって、肝機能障害・腎機能障害を起こす場合があるので、術前に基準を設けておく意味合いもあります。

凝固系では、血液の固まりやすさを確認します。とくに血液をサラサラにする薬を飲んでいる患者では薬の効き具合を確認することがあります。また、手術中に出血が止まりにくい状態であるか判断する意味合いをあります。

血糖値測定では、糖尿病の可能性はないか確認します。糖尿病は、とくに初期では症状がないことが多く、術前検査で偶然発見されることも多いです。

感染症検査では、B型肝炎・C型肝炎・梅毒・HIVなど検査します。これらは、血液を介して感染する恐れがあります。例えば、針刺し事故を起こしてしまった場合、B型肝炎の患者から医療従事者に感染してしまう可能性があります。なので、これら感染症の患者に対する手術や医療行為を行う場合は、感染予防対策をとくに重点的に行います。 また、手術中の出血が多量の場合、輸血を行う可能性があります。輸血を通じて、稀ではありますがB型肝炎・C型肝炎・HIVなど感染してしまう場合があります。輸血を行う前に、これら感染がないか確認する意味合いでも、術前に検査をしています。

血液型検査は、手術中の出血が多量の場合、輸血を行う可能性があります。輸血を行う場合、基本的には血液の型が合っている必要があります。そして、実際に血液製剤とその患者の血液を混ぜて、問題ないことを確認するクロスマッチ検査を行ってから輸血を行います。
型が合っていない場合、溶血反応などによって、輸血によって致死的になってしまう場合もあります。緊急時における輸血で、型の違う血液製剤を使用する場合もありますが、基本的には血液の型が合っている製剤で、クロスマッチ検査で問題ないことを確認した血液製剤を用います。

心電図、レントゲン、肺活量

心電図検査では、普段の安静時の心拍数がどのくらいか確認します。併存症で循環器疾患がある患者のコントロール状態を確認しておく意味合いもあります。稀ではありますが、何か手術中に急変を来しうるような不整脈が隠されていないか確認します。必要があれば、心エコー検査など追加の検査を行います。

レントゲン検査では、胸部と腹部を撮影します。 胸部レントゲン検査では、心肺に何か異常がないか確認します。とくに心臓が肥大していないか、肺に水が溜まっていないか等を確認します。 腹部レントゲン検査では、腸管ガスの具合や、背骨の曲がり具合、石灰化などを確認します。背骨の具合によって、背中からの麻酔を行うかどうか判断材料となります。また、腹部手術において、手術前後で画像を比較して、手術中に腹腔内にガーゼなどの遺残がないか確認します。

肺活量検査では、閉塞性障害・拘束性障害がないか確認します。全身麻酔管理する際は呼吸が止まるので、基本的に人工呼吸器管理をおこないます。人工呼吸器管理の際に換気量など基準となります。

まとめ

各種術前検査によって手術を安全に行える状態か確認します。血液検査、尿検査、心電図、レントゲン、肺活量などの検査が行われます。万が一、手術前後で合併症など起こった場合に、手術前の検査結果があるため、その前後で検査結果を比較することができます。

広告

投稿者: babatti3

 はじめまして。私は産婦人科医として総合病院で働いております。  女性の健康上の問題があったとき、なかなか人に相談できないこともあるかと思います。たとえば、「妊活したいが何をすればいいの?」、「妊娠したかもしれないがどうすればいいの?」、「妊娠中にやってはいけないことは?」「月経の量が多いですが大丈夫ですか?」「更年期症状が気になります」など様々な悩みがあります。  日々の診療で培われた知識・経験などを活かして、すべての女性の健康上の悩みに対して手助けとなるような情報を発信していきたいと思っております。  また2児のパパでもあり子育て世代にとって有益な情報や、趣味のジョギングに関する情報なども発信していきたいです。よろしくお願いします。

%d人のブロガーが「いいね」をつけました。