手術のキズをキレイに治すには

婦人科の手術は若い人が多いです。手術によって、お腹のキズが目立つ場合、水着になるのが恥ずかしかったり、温泉など行くときにタオルで隠しながら…といったことも。
最近では腹腔鏡手術・ロボット手術など普及してきており、以前と比べるとキズは小さくなってきています。今回、キズをキレイに治すということについて説明していきます。

まとめ

・キズの大きさや位置によって目立ちにくくなる。
・創部の方向、縫合法、感染予防など意識
・併存症のコントロール、禁煙、術後の創部ケアが重要

創部をデザインする

手術のキズは出来るだけ小さい方が望ましいです。ただし小さすぎると手術操作にも影響出てくるため、必要最低限という観点が重要です。
手術を計画する段階から、キズをなるべく小さくなるような腹腔鏡手術やロボット手術などの低侵襲手術を選択すること、開腹手術でも腹部ヨコ切開にしてキズを下着のラインに隠れるようにすることなど工夫が必要です。
また、手術の切開方向が、体の動く方向に対して垂直方向だとキズがよりキレイに治ります。例えば、腹部であれば腹直筋の動く方向と垂直方向、つまり腹部ヨコ切開のキズはよりキレイに治ります。
手術のキズは必要最低限にすることに加えて、そのキズをキレイに治すために出来ることを紹介していきます。

医師がすべきこと

手術のキズのことを創部といいます。創部がキレイに治すためには、適切な縫合法が重要になってきます。ポイントは、層と層があっていること、血流が保たれること、死腔をなくしキズ同士が離れないことです。
これらのポイントを意識した縫合が大事です。縫合する方法はいくつかありますが、真皮縫合がこれらポイントを達成しやすく、キズもきれいに治ります。また、連続縫合より単結節縫合の方が血流維持の面でも有利となり、キズもよりキレイに治ります。皮下組織が厚い人には皮下ドレーンを入れて、キズ同士が離れないようになり死腔対策となります。
他に創部感染予防のための適切な抗生剤使用、ケロイド予防のためにも手術前の除毛など行います。

患者が出来ること

もともと通院している病気がある場合はしっかりとコントロールすることが重要です。とくに糖尿病の場合、コントロールが不良な場合は感染しやすくなります。創部感染や創部離開するリスクが高くなるため、手術に備えてしっかりとコントロールすることが重要です。
また、肥満の場合、皮膚に溝が出来てしまったり、腹壁が皮下脂肪で厚い場合、創部感染・創部離開リスクが上がるので、出来るだけ手術前に体重コントロールすることが大切になります。また、喫煙している人は禁煙しましょう。
術後の創部をキレイに治すためのテープ・ケアテープ・シリコン素材などの創傷被覆材があります。様々な理論で言われていますが、創傷治癒のために創部を湿潤環境にすることが良いとされており、創部を被覆することが重要です。
また、紫外線・微細な粉塵などによる皮膚へのダメージにより創部が変色する原因となります。それらダメージを防ぐ意味でも、創部が治癒した後に創部被覆を継続することで、キズがキレイになります。被覆材の使用目安は術後約3ヶ月程度と言われています。

まとめ

若い女性が多い産婦人科手術ではキズが目立ちにくいことが重要になります。キズ自体をデザインすることに加えて、キズをキレイに治すために出来ることがあります。
患者自身で出来ることは、併存症のコントロール・禁煙、・術後の創部ケアなどです。 医師が出来ることは様々ありますが、キレイに治すための縫合法には修練を要します。
キズを小さく、キレイに治し、目立ちにくくすることで、手術の後にプールや温泉など億劫にならないよう最大限を尽くしたいと思います。

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投稿者: babatti3

 はじめまして。私は産婦人科医として総合病院で働いております。  女性の健康上の問題があったとき、なかなか人に相談できないこともあるかと思います。たとえば、「妊活したいが何をすればいいの?」、「妊娠したかもしれないがどうすればいいの?」、「妊娠中にやってはいけないことは?」「月経の量が多いですが大丈夫ですか?」「更年期症状が気になります」など様々な悩みがあります。  日々の診療で培われた知識・経験などを活かして、すべての女性の健康上の悩みに対して手助けとなるような情報を発信していきたいと思っております。  また2児のパパでもあり子育て世代にとって有益な情報や、趣味のジョギングに関する情報なども発信していきたいです。よろしくお願いします。

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