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なぜ、産婦人科医はやたらと子宮頸がん検診をすすめてくるのか?【子宮頸がん検診】

ちょっとした症状で産婦人科を受診した際に、産婦人科医師から子宮頸がん検診をすすめられることがあるかと思います。

産婦人科を受診するたびに「がん検診」をすすめられるので、うんざりしている人もいるかと思います。

今回、なぜ産婦人科医師はやたらと子宮頸がん検診をすすめてくるのかについて説明していきたいと思います。

まとめ

①子宮頸がん検診を定期的に受けると子宮頸がんを予防することができるから。

②子宮頚がんの集団検診の効果は科学的に証明されているから。

③日本の子宮頸がん検診の受診率が低いから。

①子宮頸がん検診で子宮頸がんを予防できる

検診を定期的に受けるだけで、がんが予防出来るってすごくないですか!?
これは、どういうことかということを説明していきます。

子宮頸がんのほとんどは、HPVと呼ばれるウイルスによる感染が原因です。
まず、子宮頸部(子宮の入り口に近い部分)にHPVが感染します。
すると、子宮頸部異形成という「前がん病変」となります。
さらにHPVが感染している状態が続くと、微小浸潤癌という状態となります。

微小浸潤癌よりも先が子宮頚がんと呼ばれます。
HPVの感染から、子宮頚がんになるまでは、十数年かかると言われています。

なので、子宮頚がん検診で「子宮頸部異形成」と呼ばれる前癌病変のうちに見つけることが出来れば、「子宮頸部円錐切除術」「蒸散術」などの比較的小さな治療で済むことになります。

がん診療は、「早期発見、早期治療」が原則と言われます。

子宮頚癌検診では、がんになる前の状態(「前がん病変」である子宮頸部異形成)を見つけて、それがガンに進行しないように早めに対処してやることが重要です。

②子宮頚がんの集団検診の効果は科学的に証明されている

様々ながん検診の種類があります。
しかし、本当に効果があるがん検診って実は限られています。

科学的根拠のあるガン検診として、
「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「乳がん」「子宮頚がん」の5つ挙げられます。

がん検診の検査精度が低いものだと、集団に対しておこなった場合に、本当はガンでも検査は陰性で見落とすこと(偽陰性)、本当はガンでなくても検査が陽性(疑陽性)になってしまうことがあります。

検査のやりすぎは、実は害になることもあります。

検査結果を正しく判断出来なくなってしまう可能性や、余計な検査をしてしまう(例えばCT検査で放射線被爆など)体への負担をかけてしまうことがあります。

また、年齢によって病気にかかりやすさ(罹患率)が変わってきます。
罹患率が低い年齢でとくに症状がないときに検査を受けた場合、検査結果の解釈が困難になることがあります。

なので、推奨される年齢にかかったら、是非とも科学的根拠のあるガン検診である「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「乳がん」「子宮頚がん」の5つは受けておくと良いでしょう。

「子宮頸がん」の推奨年齢は20歳以上です。
20歳以上のすべての女性は、是非とも子宮頸がん検診を受けましょう!

③日本の子宮頸がん検診の受診率が低い

日本はとくに子宮頚がん検診の受診率は国際的に比較してとても低いです。

厚生労働省ホームページより抜粋

子宮頚がん検診の受診率は低いので、こちら側からアクションをとっていく「草の根運動」をおこなっています。

さらに産婦人科受診はハードルが高いようで、産婦人科受診自体も少ないようです。
自分で市販のくすりでなんとかしようと考える人が多く、症状を我慢してしまい病状が悪化してから受診する人もいます。

産婦人科を受診する人は、ある意味で貴重だと思います。
受診した人に、子宮頚がん検診の恩恵を授けたいと思います。

また、診察で内診するのは恥ずかしいと思います。
何回も診察するより、一度にすべてを行った方が負担が少なく済みます。

産婦人科受診の際は、子宮頸がん検診を受けていなければ、是非ともオススメします。

まとめ

産婦人科医が子宮頸がん検診をやたらすすめる理由は…

①子宮頸がん検診を定期的に受けると子宮頸がんを予防出来るから。
②子宮頚がんの集団検診の効果は科学的に証明されているから。
③日本の子宮頸がん検診の受診率が低いから。

20歳以上で定期的に子宮頸がん検診を受けていない人は、是非とも子宮頸がん検診を受けましょう!

切迫早産で入院になりました!点滴がツライです【切迫早産の生活】

妊娠中にお腹のハリがひどくなったりして、切迫早産で入院することがあります。

ハリ止めを使ったり、安静が必要になります。

また、病院というなれない環境で長い間過ごすことになるのでストレスがとてもかかります。

今回、切迫早産の生活の大変さや、少しでも快適に入院生活を送れるよう出来ることについて説明していきたいと思います。

まとめ

・切迫早産と診断された場合は、主に「安静」と「ハリ止めの薬」で管理していきます。

・長期入院となると「点滴の差し替え」「薬の副作用」「長期入院や長期安静によるストレス」などで大変です。

・入院が快適になるように、「PICCを挿入すること」「薬の副作用をおさえる漢方や薬」「普段使い慣れているものを持ってくること」「ヒマつぶしグッズを準備すること」が大切です。

切迫早産の治療

切迫早産と診断された場合は、主に「安静」と「ハリ止めの薬」で管理していきます。
軽度であれば「自宅安静」と「ハリ止めの飲み薬」で外来で様子をみます。
重度であれば入院して治療します。主に「安静」と「ハリ止めの点滴」で管理していきます。

エコー検査で「子宮の入り口の長さ」をはかったり、モニターで「子宮の収縮」を評価して、点滴の量を調整していきます。

また、切迫早産が重度で、赤ちゃんの臓器が未熟な週数(妊娠34週未満)の場合は、「ステロイド」の注射薬を使用して少しでも赤ちゃんの臓器が成熟するようにします。

切迫早産の入院生活は大変

長期入院となった場合は、「点滴の差し替え」「薬の副作用」「長期入院や長期安静によるストレス」などで、肉体的にも精神的にも大変になります。

切迫早産で長い間入院となった場合、「ハリ止めの点滴」も長い間必要になります。

何度も点滴を刺しかえていくうちに…

・刺せる血管をみつけるのが大変になってしまったり
・血管が腫れて炎症してしまったり
・刺す難易度も上がっていったり
・点滴のルートを入れるのに何回も刺さなければならなかったり

かなり痛い思いや大変な感じになっていきます。

ハリ止めの副作用によって心拍数があがります。心臓がバクバク感じるようになり、動悸がはげしく出てきたり、それで吐き気など出てきて具合悪くなってしまうこともあります。

そして、長い間入院するとかなりストレスがかかります。

・慣れていない病院の環境にいるということ
・病院での生活リズムに合わせなければいけないこと
・病院のルールを守らなければないないこと
(大部屋の場合は)
・となりの人と気が合わない
・となりの人のイビキがうるさい
・となりの人の生活音が気になる

などなど、かなりストレスがかかります。

また、切迫早産の場合は「安静」にしていなければなりません。
からだを動かすと、おなかが張ってしまい子宮の収縮につながる可能性があり、安静にしていることも治療になります。

基本的にはベッドの上で安静にしています。

移動してどこか行きたいときは、まず遠くまで歩くことは許可されないことが多いです。
せめて同じ病棟内で移動できる程度です。
病状にもよりますが、院内の売店まで行きたい場合は車イスでに移動になることもあります。

重度な場合は、顔洗ったり・歯磨いたり・トイレなども自由にいけないこともあります。
場合によっては、トイレに全くいけないので、おしっこの管を入れることもあります。

切迫早産の治療が快適になるように

長期の点滴への対処

通常の腕などへの点滴では、末梢静脈という比較的細い血管を利用しております。
何度も点滴を刺しかえることがないように、中心静脈という太い血管まで通じるルートを利用することがあります。

「末梢挿入中心静脈カテーテル」を挿入するというピック(PICC)と呼ばれる方法をとることがあります。また、医療機関によっては首やあしの付け根から「中心静脈カテーテル」を挿入する方法など行われることがあります。

一度挿入してしまえば、感染や自然抜去などのトラブルが起きなければ、しばらくの期間使用できます。とくにPICCであれば腕から刺すので点滴と同じような感覚で使用できるのでオススメです。

薬の副作用

ハリ止めで使用する塩酸リトドリンという成分は、子宮の収縮を抑える作用以外にも、心臓に作用して心拍数を上げる作用もあります。すると動悸など来します。
当帰芍薬散という漢方、心拍数をおさえる薬など使用すると症状が和らぎます。

病院の環境

病院は慣れていない環境のため、いろいろとストレスだと思います。

少しでもいつもの環境に近づけるために、自分が使い慣れているマクラ・寝具・クッションなどあれば持ってくるのが良いでしょう。

また、切迫早産では安静になるので「ヒマつぶし」することが仕事になります。
本やマンガを読んだり、動画をひたすら見たりしてヒマつぶししている人が多いです。
また、普段いそがしくて読めなかった本や資格の勉強などにチャレンジしてみてはいかがでしょう。

まとめ

切迫早産と診断された場合は、主に「安静」と「ハリ止めの薬」で管理していきます。

長期入院となると「点滴の差し替え」「薬の副作用」「長期入院や長期安静によるストレス」などで大変です。

入院が快適になるように、「PICCを挿入すること」「薬の副作用をおさえる漢方や薬」「普段使い慣れているものを持ってくること」「ヒマつぶしグッズを準備すること」が大切です。

「赤ちゃんが小さい」といわれました【胎児発育不全】

妊婦健診では、毎回おなかの中の赤ちゃんの推定体重をエコーではかります。
親として、赤ちゃんが毎回すくすくと順調に大きく育っていくことを願っているかと思います。
しかし、そこで赤ちゃんが小さいといわれることもあるかとおもいます。

「その赤ちゃんの小ささ」が、個人差によるもので大丈夫な範囲内なのか、注意が必要な範囲なのかを評価していく必要があります。

今回、赤ちゃんが小さい場合について説明していきたいとおもいます。

まとめ

・赤ちゃんが小さい場合は「発育」や「元気さ具合」に注意する
・赤ちゃんが小さくなる原因はないか確認する。
・赤ちゃんが小さい「胎児発育不全」は「-1.5SD(標準偏差)以下」の場合をいう。

赤ちゃんが小さい場合は「発育」や「元気さ」に注意する

赤ちゃんが小さい場合には、「小さいながらも体重増加があって成長しているか」、「元気さ具合は大丈夫か」などを確認します。

とくに赤ちゃんの体重増加がいまいちの場合、子宮内環境が良くないことがあります。
十分な栄養が赤ちゃんにいきわたっておらず、成長していない可能性があります。
そうなると、赤ちゃんが急に具合がわるくなってしまうことがあり注意が必要です。

赤ちゃんが小さい場合には、エコー検査やモニターなどで「赤ちゃんの体重増加があるか」「赤ちゃんの元気さ具合は大丈夫か」どうかを慎重に評価していきます。

もし、「赤ちゃんの体重の増加がいまいち」であったり、「赤ちゃんの具合が悪いサイン」などあれば、子宮内環境がよくない可能性があり、早めに赤ちゃんを出してやることもあります。

その場合は、「帝王切開」や「誘発分娩」での分娩になることがあります。

そもそも赤ちゃんが小さいとは

毎回のエコーで、赤ちゃんの推定体重を出します。
「頭を幅の長さ」「お腹まわり」「太腿の骨の長さ」を測定して、赤ちゃんの推定体重を測定します。

測定した体重が、週数相当に大きくなっているか評価し、赤ちゃんが順調に発育しているか判断します。
実際には、その推定体重と、妊娠週数に応じた平均の体重を比較します。

比較して、体重が軽いか重いのか評価します。
本当は、推定体重なので「軽い」か「重い」かという表現になります。しかし、推定体重は赤ちゃんの体の部位を大きさを測定しているので、「小さい」か「大きい」と表現されます。

そして赤ちゃんの推定体重が軽い場合、赤ちゃんが軽いのは個人差の範囲内なのか、注意すべき範囲なのか判断する必要があります。

どのくらい軽いか重いか判断するために、標準偏差(SD)というものが用いられます。
これは簡単にいうと平均からどのくらい離れているのかを示したものです。

目安は-1.5SD以下だと、「赤ちゃんは小さい(胎児発育不全)」という判断となります。
それよりも軽度なものであれば、赤ちゃんの小ささは「個人差の範囲内」で問題ないものだと判断します。

赤ちゃんが小さくなる原因

嗜好品 

母親の嗜好品により、赤ちゃんが小さくなることがあります。

たばこの成分により血液の流れが悪くなり栄養が十分いかなくなってしまったり、胎盤を通じてタバコの成分が赤ちゃんに作用したりして、赤ちゃんが十分に成長せず小さくなってしまいます。

アルコールやカフェインを連日多量にとりすぎると赤ちゃんは小さくなってしまう可能性があります。

これらの原因が思い当たるようであれば控えるようにしましょう。

・母児感染症

妊娠期間中にTORCH(トキソプラズマ、梅毒、風疹、サイトメガロ、ヘルペスなど)の感染した場合、赤ちゃんが小さくなることがあります。
血液検査で母児感染する感染症の可能性がないか確認します。

・母体合併症 

妊娠高血圧症候群では胎盤血流が悪化することもあり、赤ちゃんの体重は小さくなることがあります。しっかりと妊娠高血圧症候群のを管理していくことが重要です。

通常の赤ちゃんが1人の場合に比べて、ふたご・みつごなど多胎の場合はどうしても赤ちゃんは小さくなってしまいます。

ただ、赤ちゃんどうしの体重差が大きい場合や発育が不十分な場合は注意が必要になります。

・胎盤異常

胎盤は、母親側から赤ちゃんへ栄養や酸素などを受け渡す重要な役割をしています。胎盤の血液の流れが悪くなるような状態になると、赤ちゃんへ十分な栄養がいかず、赤ちゃんは小さくなってしまいます。

例えば、胎盤内の血管に血のかたまりが出来てしまう「胎盤梗塞」、胎盤と臍帯(へその緒)がくっついている部分「臍帯付着異常」などが挙げられます。

これらにより、母親から赤ちゃんへの血液の流れがジャマされて、赤ちゃんへ十分な栄養がいかず、赤ちゃんは小さくなってしまいます。

・先天疾患

赤ちゃんの染色体異常や先天的な形態異常(形の異常)により、赤ちゃんが小さくなってしまうことがあります。

エコーで赤ちゃんの形の異常がないか全身確認します。

場合によっては羊水検査で染色体異常がないか検査します。

・週数計算のズレ

妊娠初期に分娩予定日を計算します。そのときに妊娠週数も一緒に計算します。
「最終月経」や「赤ちゃんの大きさ」から妊娠週数と分娩予定日は決まられます。

その算出方法は、「1週間以内の誤差であれば許容して決められるルール」になっています。なので、妊娠週数を決める時点で、実際の赤ちゃんの週数とズレが生じている可能性があります。

妊娠週数を計算したときのカルテを見返してみることが重要です。

まとめ

赤ちゃんが小さい場合は「発育」や「元気さ具合」に注意します。場合によっては、帝王切開や誘発分娩で赤ちゃんを早めに出すこともあります。

赤ちゃんが小さくなる原因はないか確認します。改善できる原因があれば、改善するようにします。

そもそも赤ちゃんが小ささ具合には、個人差によるものと注意が必要なレベルのものがあります。「胎児発育不全」は「-1.5SD(標準偏差)以下」の場合をいいます。

マスクで感染予防は出来るのか?【感染予防について】

近年の新型ウイルスのニュースによって、感染予防ということを意識する人も多いと思います。

「手洗い」「うがい」「マスク着用」「人混みを避ける」など様々な感染予防が言われています。

巷では、おしゃれなマスクをしている人、口の絵が書いてある可愛らしいマスクをしている人、黒い格好いいマスクをしている人などおります。
昔に比べて、マスクもオシャレな感じになってきて、外国人もマスクをする人が増えてきているように感じます。

また、マスクの爆発的な需要のため、お店ではマスクが品薄状態が続いています。

マスクをする人が多いですが、そのマスクにはどれだけの感染を予防する効果があるのかについて説明していきたいと思います。

まとめ

・「マスクをすればうつされない」は誤りであり、「感染した人が他の人にうつさないようにする」という点で効果があり。

・マスクは正しい着用法で使うべし。そして、マスクと手洗いを組み合わせるとより効果的である。

・感染経路は「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3つあり、それらを意識した感染予防が重要である。

「マスクをすればうつされない」は誤りである

ウイルスに感染して発症した人がマスクを着用すれば、ウイルスが大きく撒き散らされることを防ぐことができます。
マスクは、「感染した人が他の人にうつさないようにする」という点で効果的です。

多くの人がそうだと思いますが「健康な人が他の人からうつされないようにする」ためにマスクを着用した場合はどうかというと…

くしゃみ・咳・ツバなどの飛沫物は、長く空気中に漂うわけではないです。マスクを着用したからといって、ウイルスを捕える効果はイマイチです。
よほどの人混みでない限り、飛沫感染を予防する効果はありません。

マスクは、「健康な人が他の人からうつされないようにする」という点で効果的はイマイチです。

ただし、マスク着用によって、口・鼻・眼への接触を防ぎ、接触による感染リスクを下げる効果は期待できます。
また、人混みの中で使用すると、ある程度はウイルスを補足することが出来ます。

理論的には、健康な人がマスクを着用することは全くの無駄ではないと考えられますが、「マスクをすればうつされない」は残念ながら誤りです。

マスクは正しい着用法で使うべし

マスクの正しい着用法はご存知でしょうか?

まちを歩いていると、口だけにマスクを覆っている人、鼻まで覆っているが隙間が空いてしまっている人、ひどい時だとアゴだけにマスクを当てている人もいます。

マスクは、全体的に隙間なく覆い、しっかりと鼻と口を覆わないと効果がありません。
せっかく使うのであれば、正しい着用法で使いましょう。

マスクと手洗いを組み合わせると効果的です

インフルエンザの感染予防に関する研究で、マスク(不織布)単独では効果はないが、マスク+手洗いの組み合わせでインフルエンザ感染率が下がったという報告があります。

マスク着用によって「口・鼻・眼」への接触を防ぎ接触感染予防になること、手洗いによって接触感染予防となっていることが理由です。

ちなみに、眼を触ると感染すると言われてピンと来ないかと思います。

実は、眼と鼻がつながる「とおり道」があり、つながっています。眼にウイルスが付着すると、30分程度で鼻の中にウイルスが観察されることが知られています。

感染経路と感染予防について

感染経路はウイルスの種類によって異なります。
主な感染経路は「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3つあります。

それぞれの感染予防としては…

飛沫感染予防
・発症者の隔離
・発症者のマスク着用、咳エチケット
・人混みを避ける
・発症者と1.5m以上の距離をおく

接触感染予防
・手指衛生(手洗い、アルコール消毒など)
・よく触る部分(ドアノブ・電気スイッチ・テーブルなど)の消毒
・「口」「鼻」「眼」に触れない

空気感染予防
結核・麻疹・水痘など
・N95マスク着用
・発症者の収容(飛沫核が室外にでない陰圧室等へ)

まとめ

「マスクをすればうつされない」は誤りです。「感染した人が他の人にうつさないようにする」という点で効果があります。

マスクを着用する際は正しい着用法で使いましょう。そして、マスクと手洗いを組み合わせると感染予防はより効果的です。

感染経路は「飛沫感染」「接触感染」「空気感染」の3つあります。
ウイルスによって感染経路が異なります。感染経路を意識して感染予防をすることが重要です。

産後の「悪露(おろ)」が多いです【子宮復古不全】

分娩が終わったあと、子宮が元の大きさに戻ろうとしていきます。
「子宮復古」とよばれます。

そのときに子宮の中にたまっている血液などを押しやって、出てくるものを「悪露」といいます。「悪露」とかいて「おろ」とよびます。

この悪露は、産後もずっと続いた場合、「出血が多くなって貧血になるのでないか」「そもそもこれは大丈夫なのか」不安になるかと思います。

産後は、多かれ少なかれ「悪露」は出てきます。ただし、注意が必要な「悪露」の経過もあるため、今回説明していきたいと思います。

まとめ

・産後、子宮は元の大きさに戻ろうと収縮する際に悪露が出てくる。

・悪露がずっと赤いままや、量が多い場合は「子宮復古不全」が考えられる。

・治療は、子宮の中に残存あれば除去する、子宮収縮薬などを使用する。

悪露について

分娩が終わったあと、子宮は元の大きさに戻ろうと収縮していきます。

そのときに子宮の中にたまっている血液などを押しやって、出てくるものを「悪露(おろ)」といいます。

悪露の量は、日に日に少なくなっていきます。

そして悪露の色は最初は赤色です。とくに問題なければ、数日で黄色に変化し、その後白色になります。

1-2週間以上たっても悪露が赤いまま(「血性悪露」と呼ばれます)だったり、悪露の量が多い場合は注意が必要です。

悪露と子宮復古について

赤ちゃんが産まれて、胎盤が出てきて、分娩が終了します。
分娩がおわったら、子宮は元の大きさに戻ろうとします。

これを「子宮復古」といいます。

その際に子宮が収縮していきますが、「後陣痛」として自覚します。
分娩時には「陣痛」を経験しますが、分娩後は「後陣痛」を経験することになります。

お産は人生の痛いことが凝縮していると言われます。

・お産のときの「陣痛」の痛み
・赤ちゃんの通り道が裂けてしまう「裂傷」の痛み
・その裂傷を「縫合」するときの痛み
・必要があればおこなう「会陰切開」の痛み
・分娩後の子宮が元の大きさに戻ろうとする「後陣痛」の痛み

これらの痛みを乗り越えて、新たな命を誕生させる母親は本当にスゴイと思います。

お産のときの痛みを思うと、もうお産はしたくないと思います。

そして、お産のときの痛みを忘れるので、ヒトはもう一人子供を作ると言われています。

ヒトが子孫を繁栄させるための仕組みで奥深いですね。

悪露と子宮復古不全

分娩が終わったあと、子宮は元の大きさに戻ろうと収縮していきます。

「子宮復古」とよばれます。

子宮の収縮がうまくいかないと、赤い色の「血性悪露」が続いたり、悪露の量が多くなり、「子宮復古不全」と呼ばれます。

悪露が多いときの対応

悪露が多い場合やずっと続く場合は、まずは診察をしてその原因がないか確認します。

エコーで、子宮の中に何かたまっていないか確認します。

子宮の中に、たまっているものがあると、子宮が元の大きさに戻るための収縮がジャマされてしまいます。
すると、産後も子宮の収縮がうまくいかず、「血性悪露」が続いてしまいます。

子宮の中に「血液のかたまり」「赤ちゃんを包んでいた膜の一部」「胎盤の一部」などが残っている場合があります。

子宮の中に残っているものがあれば、それを除去します。

そして、子宮の収縮を促すために子宮収縮薬を使用します。

また、子宮の中に残っているものがあると、感染を来している場合があります。
感染を来すと、子宮の収縮も不十分になることがあります。
必要に応じて、抗生剤(細菌をやっつけるくすり)も使用します。

また、授乳することも大切です。
授乳によって子宮を収縮する作用のあるオキシトシンというホルモンが分泌されて、子宮が元の大きさに戻ろうとするのを助けてくれます。

まとめ

産後は、子宮が元の大きさに戻ろうと収縮します。その際に「悪露」が出てきます。

悪露がずっと赤いままや、悪露の量が多い場合は「子宮復古不全」が考えられます。

治療は、子宮の中に残存あれば除去する、子宮収縮薬を使用します。
授乳は子宮収縮作用のあるホルモンが分泌されて子宮復古を促します。

妊娠中に虫歯になってしまいました【妊娠と歯の健康について】

 妊娠中は、つわり・食べ物の好みの変化などから口腔内環境が変化し、虫歯や歯周病が悪化しやすいです。
歯の症状がある場合は、悪化する前に歯科受診することが大切です。

また、虫歯・歯周病があった場合、妊娠経過に影響を与えます。

今回、「妊娠中の歯科受診」と「妊娠と歯の健康」について説明していきます。

まとめ

・妊娠中でも歯科受診は可能です。妊娠16週以降の受診がすすめられます。

・妊娠中は「う歯」や「歯周病」は悪化しやすいです。

・「う歯」や「歯周病」によって、「早産」や「低出生体重児」のリスクが上がります。

妊娠中でも歯科受診は可能です

妊娠中も歯科受診して治療をうけることは可能です。
ただし、受診する場合は、かならず「妊娠中であること」を歯科医師に伝えてください!

妊娠中の場合は、安全に使用できるくすり・レントゲン検査にともなう被爆の影響など考慮すべきことがあります。

とくに影響ないものは

行う場合に注意が必要なものは

歯科受診は妊娠16週以降が目安

妊娠中の「う歯」「歯周病」は悪化しやすいので、歯科受診は早ければ早いほど良いです。

しかし、歯科受診で、レントゲンによる被爆の可能性、麻酔薬・抗生剤・痛み止めなどくすりを使用する可能性があります。

基本的には妊娠経過に影響をあたえない薬や処置をおこないます。

ただし、妊娠初期は自然流産率が高かったり、なにか起こる可能性が高いです。

妊娠初期に偶然なにか起こった場合に、歯科処置をしていた場合…
「歯医者を受診して、その処置が原因で起こってしまったのかも」と自分を責めてしまうことが起こってしまいかねません。

こういった事情を考慮すると、赤ちゃんが比較的安定した状態である妊娠16週以降の歯科受診が目安となります。

歯科クリニックによっては、妊娠中の歯科治療をおこなっていない場所もあるので、受診する前に確認することをオススメします。

妊娠中は「う歯」や「歯周病」は悪化しやすいです。

妊娠中は、ホルモンや環境の変化のため…

・味覚が変わる

・味の好みが変わる

・唾液量が少なくなる

・つわりなどで歯磨きがツラくなる

などで、口腔内環境が変わります。

口腔内環境が変わるため、妊娠すると「う歯」や「歯周病」になりやすくなります。
また、「う歯」や「歯周病」があった場合は悪化しやすくなります。

歯の症状がある場合は、悪化する前に歯科受診することが大切です。

「う歯」や「歯周病」の妊娠経過における影響

「う歯」や「歯周病」になると、「早産」「低出生体重児」のリスクが上がるデータがあります。

歯周病になると、歯周病の原因となる細菌が口の中から血流にのって全身に広がります。
そして、胎盤や子宮へ細菌が広がっていくと炎症反応がおこります。

炎症反応によって、子宮の入り口が熟化(子宮の入り口が開きやすい状態)したり、子宮の収縮が促されてしまいます。

すると、週数より早く赤ちゃんが出てしまい「早産」となってしまいます。

また、胎盤や子宮に感染が広がると、赤ちゃんの成長に必要な栄養がうまく渡らず、赤ちゃんの成長はにぶくなってしまい「低出生体重児」が増えてしまいます。

歯の健康状態が妊娠経過や赤ちゃんに影響するので、口の健康はとても重要です。

可能であれば、妊娠する前に歯科受診をして、歯の健康状態を確認することをオススメします。

まとめ

妊娠中でも歯科受診は可能です。
偶発的な流産などの可能性を考慮して妊娠16週以降の受診がすすめられます。

妊娠中は「う歯」や「歯周病」は悪化しやすいので、症状があれば早めに歯科受診をしましょう。

「う歯」や「歯周病」によって「早産」や「低出生体重児」のリスクが上がります。妊娠する前に歯科受診をして、歯の健康状態を確認しましょう。

タンポンが自分で取れないです【産婦人科受診を】

タンポンを使用していて、奥の方に入ってしまって自分で取れなくなってしまったことはありませんか?

「取り出すためのヒモが奥の方にいってしまった」
「実は知らないうちにタンポンが自然に出ていた」
「取り出してること自体、忘れてしまっていた」

などの状況があるかと思います。

腟内にタンポンが残っていなければ問題ないです。
しかし、腟内にタンポンが残っていた場合は感染など体への影響が懸念されます。

「タンポンが自分で取り出せなくなってしまった」
「タンポンが腟内にあるのか自分でよくわからない」

などでタンポンが残っている可能性が少しでもある場合には、産婦人科を受診しましょう。

今回はタンポンの腟内に入っている場合の影響について説明していきたいと思います。

まとめ

・タンポンが長く入っていると感染します

・感染はお腹の中に広がっていくことがあります

・とにかく産婦人科受診を!

タンポンが長く入っていると感染します

万が一、タンポンが腟内に長い間入ってしまった場合、感染します。

タンポンの種類やその人の生理の量にもよりますが、8時間以上は入れない方がいいです。

1日中タンポンが入っていた場合、おりものの量が増えて臭いがきつくなります。

腟内には様々な細菌がいます。タンポンで腟にフタをされた状態になると細菌が繁殖しやすくなります。そして、細菌が増えてくると感染症をおこします。

実は、子宮の中は卵管を通じて、お腹の中の空間とつながっています。

腟内に感染を起こすと、「子宮の中」→「卵管の中」→「お腹の中」と感染が広がってしまいます。

すると、「発熱」「腹痛」などの症状を来します。

また、感染によって「卵管」のまわりが癒着してしまうと、不妊の原因となってしまうこともあります。

「卵管」は精子や受精卵が卵管の中を通ります。妊娠する場合に大事です。

感染による癒着によって「卵管」の通過性が悪くなってしまうことがあります。

そうすると、精子や受精卵が卵管の中を通りにくくなってしまい、不妊の原因となってしまいます。

なので、タンポンが万が一腟内に入っている可能性がある場合は(実際に自然に脱落していた場合も)、産婦人科を受診して確認することが大切です。

どうやってタンポンをとるのか

産婦人科での診察では、まず腟鏡(クスコ)とよばれる器械を使って、腟内を観察します。

そこでタンポンをみつけたら、長セッシ(長いピンセット)を使って、タンポンを挟んでつかんで、取り出します。

感染していた場合の治療は

感染が疑わしい場合は、腟内を洗浄したり、抗生剤(細菌をやっつける薬)の薬を腟内に挿入したりします。

また、発熱・下腹部痛など伴い、お腹の中への感染が疑わしい場合には、抗生剤の点滴や飲み薬など使用して治療します。

症状が重度の場合には、入院管理する場合があります。

お腹の中への感染がひどく、お腹の中に膿のかたまり(膿瘍と呼ばれます)を作っていた場合は、ドレナージという処置や手術が必要になることがあります。

まとめ

タンポンが長い間腟内に入っていると感染します。
お腹の中まで感染が広がることや最悪不妊の原因となることがあります。

「タンポンが自分で取り出せなくなってしまった」
「タンポンが腟内にあるのか自分でよくわからない」

などでタンポンが残っている可能性が少しでもある場合には、産婦人科を受診しましょう!

妊娠から分娩まで④【分娩のながれ】

「分娩予定日」ちょうどに赤ちゃんが産まれてくると思う方がいるかと思います。
しかし、実際には分娩予定日ちょうどに産まれることは少ないです。

妊娠40週0日が「分娩予定日」にあたります。
分娩予定日と言っていますが、あくまで妊娠管理する際の基準にすぎないです。
分娩予定日ちょうどに産まれることはもちろんありますが、実際は少ないです。

妊娠37週から41週までが正期産です。
赤ちゃんの成熟がほど良い週数で、この週数の間に産まれてくることが多いです。
予定日が近づくと、いつ分娩となってもおかしくないです。

今回は、分娩の流れについて説明していきたいと思います。

まとめ

①分娩のはじまりは「陣痛発来」です。

②赤ちゃんは回旋しながら狭い産道を通ってきます。

③陣痛はより強く陣痛頻度は増加し、子宮の入り口は開いていく。

①分娩のはじまりは「陣痛発来」

妊娠の満期に近いとお腹がだいぶ大きくなります。
とくに動いたときなどにお腹のハリを自覚しやすくなります。

そのお腹のハリが痛みに変わり、それが規則的になると、陣痛が来たと判断します。赤ちゃんを出そうと子宮が収縮しますが、それが陣痛の痛みとなります。
おおよそ、1時間に6回以上の頻度で規則的な痛みになると、「陣痛発来」と判断します。

また、陣痛が来る前に破水してしまうことがあります。
陣痛が来る前に破水することを「前期破水」と呼ばれます。
破水したら、24時間以内に自然に陣痛が来ることが多いです。
破水した場合は感染のおそれがあるので、抗生剤を使用し感染兆候に注意しながら経過をみていきます。

破水しても自然に陣痛が来ない場合や感染の可能性がある場合には、陣痛促進剤を使用して早めに娩出するようにすることがあります。

②赤ちゃんは回旋しながら狭い産道を通ってきます

陣痛が来ると、子宮の収縮で赤ちゃんが徐々に下の方に押しやられていきます。
赤ちゃんは産道という通り道を通っていきます。

いくつか狭い場所があるため、赤ちゃんは回旋しながら産道を通ってきます。合計で4回、回旋します。

また、狭い産道を通るために、赤ちゃんの頭は細長く形を変えます。骨重合と呼ばれます。

途中で回旋の方向が違ったりすると、産道を通れなくなります。
その場合、分娩停止から緊急帝王切開になってしまうこともあります。

③陣痛は強く陣痛頻度は増え、子宮の入り口は開いていく

分娩の進行とともに、陣痛は強くなっていきます。
また、陣痛の間隔も短くなり、陣痛頻度は増加していきます。

妊婦さんのお腹にモニターをつけて、陣痛の持続時間や陣痛間隔などを評価します。

また、モニターでは赤ちゃんの心音も記録され、赤ちゃんの元気かどうかも評価します。
万が一、赤ちゃんの具合が悪く、下から分娩するのに時間がかかりそうであれば、緊急帝王切開になることもあります。

そして、分娩の進行とともに子宮の入り口は開いていきます。
はじめは全く開いていない「未開大」の状態から、徐々に開いていきます。
子宮の入り口の流れが10cmとなったら「全開大」と判断します。

内診で子宮の入り口の開き具合を評価します。

「子宮口全開大」となって、分娩が近いと判断したら、本格的に分娩の準備を整えていきます。

仰向けで寝た状態から少し頭を上げて、脚を広げた状態に足台をセットしていきます。フリースタイル分娩では自分の好きな体勢になります。

そして陣痛に合わせて、しっかりといきみます。
順調に分娩が進んでくると、最初に赤ちゃんの頭が出てきます。
次に助産師さんは回旋を促してから、上の方の肩が出てきます。
その後は下の方の肩も出てきて、するりと赤ちゃんが産まれてきます。

その後、へその緒(臍帯)を切って赤ちゃんが一人立ちします。
産まれた赤ちゃんは母親の胸のあたりに持っていきカンガルーケアなど行います。

その後に胎盤が出てきて分娩は終了します。

分娩の後は医師の診察があります。

「お産による裂傷がないか」「子宮の収縮は問題ないか」「出血は多くないか」など診察をして大丈夫か確認します。

「裂傷」があれば縫合をしたり、「子宮収縮不良」であれば子宮収縮薬を使用したりします。

まとめ

分娩のはじまりは「陣痛発来」です。陣痛の前に破水した場合、24時間以内に「陣痛発来」することが多いです。

赤ちゃんは回旋しながら狭い産道を通ってきます。

分娩の進行とともに、陣痛はより強く陣痛頻度は増加し、子宮の入り口は開いていきます。

そして、赤ちゃんの「頭」→「上の肩」→「下の肩」と順に出てきて、赤ちゃんは出てきます。赤ちゃんの次は胎盤も出てきて分娩は終了します。

妊娠から分娩まで③【妊娠後期】

妊娠8ヶ月(妊娠28週0日)から妊娠10ヶ月(妊娠39週6日)までを妊娠後期と呼ばれる時期にあたります。

自分の子供が生まれてくるのが、待ち遠しくなる時期です。
そして、お腹が大きくなって、だいぶしんどくなってきて、早く生まれて解放されたいと思う時期でもあるかと思います。

妊娠後期では、さらに赤ちゃんが大きくなっていきます。
新たな命の誕生に向けて、心も体も整えていきたい時期でもあります。

今回は、妊娠後期について説明していきたいと思います。

まとめ

・体の変化と起こりやすい症状について

・妊婦健診では、「赤ちゃんの発育は良好か」「産道感染する菌がいないか」「分娩に近い状態か」を中心にみていきます。

・分娩に向けて準備を

体の変化

・さらにお腹は大きくなる

赤ちゃんはだいぶ大きくなり、子宮もさらに大きくなっていき、お腹もさらに大きくなっていきます。

子宮が大きくなると、さらに横隔膜を圧迫するようになり、呼吸が浅くなり、息切れを起こすようになります。

・体の様々な部位の痛み

赤ちゃんが動いたり、蹴ったり、赤ちゃんの体勢によっては、肋骨や恥骨あたりが痛みます。お腹の重さのため、腰まわりに負荷がかかり腰痛になってしまったり。

股関節・膝まわりなど負荷がかかる場所は痛くなってしまい、肩こりも起こりやすいです。

・みぞおち、胃のあたりの症状

赤ちゃんが大きくなると胃など消化管も圧迫されます。

すると、胃酸の逆流感・胃部不快感・胸焼け・吐き気などの症状が起こります。

・むくみ

妊娠後期になると足のむくみが目立つようになります。

分娩時の出血に備えて、少しでも体内に体液をストックしようとするのが目的です。

ただし、むくみが著明な場合や血圧が高くなってくる場合は、妊娠高血圧症候群に注意する必要があります。

・静脈瘤

赤ちゃんが大きくなると血管も圧迫され、血流は滞りやすくなります。
血流が滞りやすくなると、静脈瘤という「血管のコブ」が出来やすくなります。
とくにふくらはぎあたりに出来やすいです。

・おりもの

妊娠するとおりものが増えます。
とくに妊娠後期になると、さらにおりものが増えます。
白いおりもので、量が多いと下着も濡れることがあるので破水と間違われることがあります。破水かどうか判断するには、液体に試薬をつける検査をします。

また、おりものが増えると陰部がかぶれやすくなり、かゆみなど起こりやすいです。

妊娠健診でのポイント

・赤ちゃんの発育が順調か

・下からのお産で赤ちゃんへ感染するものはないか

・分娩に近い状態か

・赤ちゃんの発育をみていく

エコーでは、ほぼ毎回赤ちゃんの体重を測定します。
妊娠後期にも赤ちゃんの推定体重を出します。
頭を幅の長さ、お腹まわり、太腿の骨の長さを測定して、赤ちゃんの体重を測定します。

その体重が、週数相当に大きくなっているか評価します。
赤ちゃんが順調に発育しているか判断します。

・下からのお産で赤ちゃんへ感染するものはないか

下からのお産を経腟分娩といいます。
赤ちゃんは狭い産道を通って、産まれてきます。
その通り道に細菌などがあると、赤ちゃんに感染することがあります。

とくにGBSという細菌は、赤ちゃんに感染すると肺炎・髄膜炎・敗血症など重症な感染症となってしまうことがあります。

カビの一種であるカンジダは、赤ちゃんに感染すると、鵞口創と呼ばれる口腔内カンジダとなります。ミルクの飲みカスのようにみえますが、口の中にカビがある状態となってしまいます。

妊娠後期では、産道にGBSやカンジダなど赤ちゃんに感染する可能性のあるものがないか検査します。

・分娩に近い状態か判断する

予定日近くになると、妊婦健診は2週間ごとから、1週間ごとになります。

モニターをつけて、「赤ちゃんが元気かどうか」「子宮の収縮の状態」を評価します。
内診では、「子宮の入り口の開き具合」を確認します。
分娩に近い状態なのか、評価していきます。

ちなみに子宮の入り口の開き具合は、10cmとなると全開大となって赤ちゃんが産まれてきます。

分娩に向けて準備を

予定日が近づくと、いつでも分娩となってなっていいように、準備しておくことが重要です。

・いつ入院してもいいように「モノの準備」しておくこと

・新たな命が産まれてくることへの「心の準備」をしておくこと

・分娩の流れ、注意点など「知識の準備」をしておくこと

が大切です。

「モノの準備」は、妊婦健診で受診している医療機関のパンフレットに書いております。
何が必要なのか確認して、余裕をもって準備しておくといいでしょう。

そして、「ご自身」「パートナー」「家族」ふくめ、新たな命を迎える「心の準備」をしていくことが大切です。

ここでは「知識の準備」について少し説明していきます。

予定日が近づくと、子宮の入り口は徐々に開いていって、柔らかくなっていきます。
そして、子宮の入り口が開いてきたときに、産徴(おしるし)と呼ばれる出血をみとめます。分娩が近いというサインになります。

分娩のはじまりは、「陣痛発来」または「破水」です。

妊娠が満期に近いとお腹がだいぶ大きくなります。とくに動いたときなどにお腹のハリを自覚しやすくなります。

そのお腹のハリが痛みに変わり、それが規則的になると、陣痛が来たと判断します。赤ちゃんを出そうと子宮が収縮しますが、それが陣痛の痛みとなります。
おおよそ、10分に1回以上の頻度で規則的な痛みになると、「陣痛発来」と判断します。

陣痛が来る前に「破水」してしまうことがあります。
陣痛が来る前に破水することを「前期破水」と呼ばれます。
破水したら、24時間以内に自然に陣痛が来ることが多いです。

「陣痛発来」した後は、徐々に陣痛は強く、頻度が増えてきて、分娩が進んでいきます。

そして順調に分娩が進むと、赤ちゃんが産まれてきます。

▶まとめ

妊娠後期になると、さらにお腹は大きくなります。

「赤ちゃんの動き」「圧迫」「重さ」などによって、「肋骨痛」「恥骨痛」「腰痛」、「胃酸の逆流感」「胃部不快感」「足のむくみ」「静脈瘤」などの様々な症状が起こりやすくなります。

妊婦健診では、「赤ちゃんの発育は良好か」「産道感染する菌(とくにカンジダ・GBSなど)がいないか」「分娩に近い状態か」を中心にみていきます。

予定日が近づくと、いつでも分娩となってなっていいように「モノの準備」「心の準備」「知識の準備」をしておくことが大切です。

とりあえず薬だけ欲しいです!と思っている「あなた」へ 【医師が薬を処方する3つのポイント】

「病院の待ち時間が長い」
「そのわりに医師の説明など診察時間は短い」
「それならば、さっさと薬の処方だけ受け取りたい」

そう思っている人は多いかとおもいます。

結局くすりの処方のみで終わるので、はやく処方してくれれば良いのに…と思う人は多いはずです。
自分自身が受診するときも「はやくしてほしい」と思います。

今回、くすりを処方する医師側の視点でお伝えしたいと思います。
医師がくすりを処方するときに考えていることについて説明していきます。

処方の際に考えている3つのポイント

①症状に合った薬を選ぶのに情報が必要

②症状をおさえるより根本原因を解決した方が良い

③クスリはリスク

①症状に合った薬を選ぶのに情報が必要

同じ腹痛でも、「痛みの部位」「痛みの性状」「痛みの程度」「痛み以外の症状」などによって、同じ痛み止めでも選択する場合違ってきます。

たとえば…

腸が動いたときの痛みで波がある痛みでは、「腸の動き(蠕動)を抑えるくすり」を選びます。

炎症に伴う痛みが想定される場合、一般的に多く用いられる「抗鎮痛炎症薬」を持ちいられます。

また…

・患者の年齢: ”30歳の腹痛”と”70歳の腹痛”では想定する病気が違います

・喘息はもっているか:前回と同じ疾患が想定されます

・妊娠しているかどうか : 産婦人科であればとくに

・腎臓機能障害があるかどうか: くすりの量などに関わってきます

などによって想定される疾患が違ってきますし…

・喘息をもっている患者に使用に注意が必要な薬。

・妊娠中に使用を控えた方がいい薬。

・腎機能障害がある場合には使用を控えた方がいい薬、量を少なくした方がいい薬

など様々あります。

とくに過去に使用したくすりでアレルギー反応を認めた場合は、基本的には使用を控えます。

②症状をおさえるより根本原因を解決した方が良い

痛みを抑えるだけの治療を対症療法といいます。

ただ症状を抑えるだけなので、今後も症状が起こってくる可能性があります。

そうすると、ずっと薬を使わなければならないことになります。

のちほど説明しますが、クスリにはリスクもつきものです。

くすりは少なければ少ない方が望ましいです。

ちなみに、最近「多剤内服」というのが問題になっています。

とくにお年寄りの患者では、くすりを大量に処方されて飲んでいることがあります。

くすりが増えると、その相互作用によって予期せぬ副作用を来す可能性があります。

また、くすりが多すぎるため飲み忘れが増えてしまったり、医薬品による医療費が圧迫されてしまうなど良くないことが起こります。

一方、症状の原因となっているものを解決すれば基本的に1発で解決します。

根本治療をするのが治療の原則です。

なので、痛みの原因をしっかりと検査して診断することが重要です。

軽い気持ちで受診しても、しっかりと症状の原因となっているものを突き詰めて根本的な解決を目指すことが大切です。

③クスリはリスク

くすりは良いこともあれば、悪いことも起こることがあります。
くすりは肝臓で解毒される種類や腎臓でおしっことなって排泄される種類のものなどがあります。
くすりを使用した場合、肝機能障害や腎機能障害などが起こる場合があります。

また、くすりが自分に体内に入ってきた時に、くすりを異物として認識をしてしまう場合があります。
過剰に攻撃してしまうため、アレルギー反応を起こすことがあります。

軽い症状だと、「発熱」「かゆみ」「発疹」などの症状が出ます。
重症化すると、「呼吸困難」となったり、「血圧が低下」する「アナフィラキシーショック」と呼ばれる状態になり、命を落とすこともあります。

また、くすりの種類によってはさまざまな副作用を呈する可能性があります。

必要のないくすりは使用しないのが原則です。

まとめ

①症状に合った薬を選ぶのに情報が必要

②症状をおさえるより根本原因を解決した方が良い

③クスリはリスク