おすすめ

産婦人科医が教える!

すべての女性のヘルスケア

すべての世代の

女性のためのサイト

 このサイトによって、すべての世代の女性健康に関する悩みの手助けになるよう全力を尽くします。  

—Baba Atsushi.

 女性の健康上の問題があったとき、なかなか人に相談できないこともあるかと思います。妊娠出産にまつわる事、更年期における体調不良、デリケートゾーンの症状など。
 女性の健康上の悩みに対して手助けとなるような情報を発信していきたいと思っております。

【お知らせ】サイトの引っ越し

いつも当ブログをみていただいてありがとうございます。

投稿記事がたまってきて「レイアウト」などの関係で、新しいサイトに引っ越すことにしました。

ひきつづき、みなさんの役に立つ情報を発信していきたいとおもっております。

今後も何卒よろしくお願いいたします。

↓↓あたらしいサイト↓↓

すべての女性のヘルスケア

https://womenhealthcarecenter.com/

出生前検査は受けたほうがいいですか?【出生前検査】

結論ですが
・十分説明をうけて理解したうえで「出生前検査」をうけるか判断しましょう。
・出生前検査には「非確定的検査」と「確定的検査」があります。検査内容を理解したうえでどの検査にするか選びましょう。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。
今回は「出生前検査」を受けるべきか悩んでいる人に対しての記事です。

最近話題の出生前検査についてです。
以前はなかった検査ですが、医療の進歩はすごいもので、この出生前検査を受けようとおもえば誰でも受けられるような時代になっています。
メディアでも取り上げられることが多く、知っている人も多いかと思います。

検査をうける選択肢が増えるということは、いいことのように思えますが、逆に選択肢が増えることで検査をうけるべきかどうするかという悩みも増えることにもなります。

今回は「出生前検査」を受けるべきか悩んでいる人に向けて、検査の基本的なことや、検査を受けるかどうかどのように判断するか説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

・事前に十分な説明やカウンセリングをうけて、検査に対して理解したうえで「出生前検査」をうけるか決めましょう。

・出生前検査には「非確定的検査」と「確定的検査」があります。検査には、妊娠週数や医療機関によって出来る検査が決まっているので事前に確認しましょう。

・実際には「非確定的検査」をして結果をみてから「確定的検査」をする人が多いが、はじめから「確定的検査」をうける人もいます。

出生前検査にはどんな検査がありますか?

結論をいうと、
十分な説明やカウンセリングをうけて、検査に対して理解したうえで「出生前検査」をうけるか決めましょう。


まずはじめに、出生前検査をうけたからといってすべての先天性疾患がわかるわけではないということを頭に入れておきましょう。

前提として、産まれてくる赤ちゃんの3-5%程度は何かしらの先天性疾患をもっています。
先天性疾患の主な原因として、「染色体疾患」(約25%)以外にも、「単一遺伝子の変異」(約20%)、「多因子遺伝」(約50%)、「環境催奇形因子」(約5%)などがあります。
染色体疾患のうち、母体年齢が上がるとともに出生児の染色体疾患の発生率が上がるものとして、21トリソミー(21番染色体が3本となる異常でダウン症候群とも言われる)・18トリソミー・13トリソミーなどが知られています。 

重要な点なので繰り返しますが、出生前検査をうけたからといってこれらすべての先天性疾患がわかるわけではありません。
出生前検査でわかるのは、先天性疾患の原因の「染色体疾患のうち一部のみ」です。
つまり、出生前検査で問題なかったとしても、検査ではわからない他の先天性疾患の可能性はあります。

実際に検査する人の中には…
・検査で安心したいから念のため出生前検査を行いたいという人がいます。
万が一、検査で陽性(異常の可能性もしくは異常あり)と出てしまった場合、安心できない検査結果となってしまうことがあります。
・十分な説明をうけずに安易に出生前検査を受ける人もいます。検査結果が出てから、その結果の解釈がよくわからなくなってしまうことが多いです。
・当初は全く考えていなかったが、出生前検査の結果を知って中絶を選択する人もいます。

出生前検査は、あくまで妊婦さんが主体となって「検査を受けるかどうか」「検査結果をうけて中絶するかどうか」判断材料となる検査です。
医師が主体となって、「出生前検査をすすめること」や「中絶をすすめること」は決してないです。

出生前検査は命の選別にもつながる検査でもあるので、その検査の重みを十分理解してください。
そして、出生前検査を受ける前に十分な説明・カウンセリングを受け、納得した上で検査を受けてください。

出生前検査にはどんな検査がありますか?

結論をいうと、
出生前検査には、非確定的検査と確定的検査に分けられます。
また、妊娠週数や医療機関によって出来る検査が決まっているので事前に確認しましょう。

・非確定検査
非確定的検査は、侵襲がないですが、あくまで染色体異常の可能性が確率でわかるのみです。確定的検査の結果をふまえたうえで確定検査をするかどうかの判断するための検査という位置づけとも言えるでしょう。
非確定的検査には、「NT(Nuchal Translucency)検査」・「母体血清マーカー検査」・「NIPT(Non Invasive Prenatal Testing)」があります。

NT検査
NT検査はエコーで胎児の首の後ろのむくみの厚さを測定します。
NT測定値と年齢などの患者情報から染色体異常の確率が計算されます。
妊娠11週から13週までに行います。

母体血清マーカー
母体血清マーカーは母体の血液検査をします。
母体の血液中に含まれている成分を測定して染色体異常の確率や開放性神経管奇形である確率が算出されます。
妊娠15週以降に行います。

NIPT
NIPTも母体の血液検査をします。
母体の血液中に含まれる胎児由来の成分を分析します。
結果が陰性であれば99.9%の確率で染色体異常がないということになりますが、陽性だった場合は染色体異常の可能性が高いです。
ただし疑陽性(検査が陽性でも実際には染色体が正常である)の場合もあるので、染色体異常を調べるのに確定的検査が必要です。
妊娠10週以降に行います。

確定的検査 
確定的検査には、「羊水検査」「絨毛検査」があります。
確定的検査を行う場合は、一定確率で流産などの危険性があります。

羊水検査
羊水検査は、お腹から細い針を刺して子宮内の羊水を採取して、羊水中の胎児成分の染色体を検査します。
比較的安全性が高いですが、胎児死亡・流産等が0.3%程度起こるとされています。
妊娠15-16週以降に行います。

絨毛検査
絨毛検査は、お腹から細い針を刺して絨毛組織を採取して、胎児成分の染色体検査をします。
羊水検査と比較して流産頻度は高く、1%程度起こるとされています。
妊娠11週から14週までに行います。

・実際、出生前検査はどのように行われていますか?

結論をいうと
まずは「非確定的検査」をして、結果をみてから「確定的検査」をするか判断する人が多いです。
ただ、検査結果によって中絶をするかどうかの決意があるひとは、はじめから確定的検査をうける人もいます。

非確定的検査の結果は、あくまで染色体異常などの確率が出るのみなので、診断を確定をするために「確定的検査」が必要になります。
なので、実際の流れとしては「非確定的検査」→「確定的検査」となり、確定的検査の結果をふまえて中絶するかどうか判断をすることになります。

なお、中絶を希望する場合には時間的な制約があるので頭にいれておきましょう。
中絶が可能な時期は「妊娠21週6日まで」とされており、「妊娠22週0日以降」は中絶ができなくなります。

また、出生前検査の結果が出るのが、検査会社や検査の種類にもよりますが「おおよそ1-3週間程度」かかります。

出生前検査の結果をふまえたうえで判断をすることになるので、出生前検査を希望する場合には早めの準備や対応が必要です。

まとめ

事前に十分な説明やカウンセリングをうけて、検査に対して理解したうえで「出生前検査」をうけるか決めましょう。

出生前検査には「非確定的検査」と「確定的検査」があります。検査には、妊娠週数や医療機関によって出来る検査が決まっているので事前に確認しましょう。

実際には「非確定的検査」をして結果をみてから「確定的検査」をする人が多いが、はじめから「確定的検査」をうける人もいます。

繰り返しになりますが、出生前検査は命の選別にもつながる検査でもあるので、その検査の重みを十分理解してください。
そして、出生前検査を受ける前に十分な説明・カウンセリングを受け、納得した上で検査を受けてください。

妊娠中ですがC型肝炎の検査でひっかかりました【母子感染症】

結論ですが
・妊娠初期のC型肝炎の検査が陽性の場合、追加検査をしてC型肝炎ウイルス量をしらべます。
・妊婦自身の肝臓が大丈夫なのか検査して必要があれば治療します。
・赤ちゃんへの感染予防に対する視点をもちます。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

妊婦健診では、血液検査でC型肝炎の抗体の検査をおこないます。
その検査結果でひっかかってしまった場合について説明します。

具体的には
「追加検査をしてC型肝炎ウイルス量や肝機能の検査をします」
「C型肝炎の検査が陽性の場合は専門医に紹介します」
「赤ちゃんへの感染予防を見すえてどうするか考える」

の流れで説明していきます。

今回は、妊娠中の検査の「C型肝炎」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

・妊娠初期のC型肝炎の検査である「HCV抗体」が陽性の場合、追加検査をしてC型肝炎ウイルス量をしらべます。

・妊婦さん自身の肝臓が大丈夫なのか専門医に診察してもらいます。

・C型肝炎の母子感染予防のために、帝王切開を選択するかは担当医との相談が必要です。また、授乳を制限する必要はないです。

C型肝炎の検査

妊娠初期に妊婦さん全員に血液検査をおこないます。
そこで「HCV抗体」というC型肝炎の検査がおこなわれます。

「HCV抗体」が陽性の場合は、
・C型肝炎ウイルスに以前にかかったことがあるだけという可能性「既感染」
・C型肝炎に今現在も感染している可能性「持続感染」
があります。

それらを調べるために、血液中のC型肝炎ウイルス量を調べます。
C型肝炎は一本鎖RNAウイルスであり、「HCV-RNA定量検査」というものをおこないます。
また、血液検査で「ALT」「AST」などの肝機能検査もおこないます。

「HCV-RNA定量検査」の結果が陰性の場合は、母子感染のリスクはないです。
ただし、HCV-RNA量が変動することもあるので、妊娠後期に再検査をおこないます。
また、念のため生まれた赤ちゃんのフォローもおこなわれます。

HCV-RNA定量検査で検出された場合は、C型肝炎の持続感染の可能性があり、
・内科(とくに肝臓の専門医)の受診をすすめます
・母子感染のリスクがあります

C型肝炎の妊婦の対応

C型肝炎ウイルスの持続感染がわかった場合には、消化器内科(とくに肝臓を専門としている専門医)に紹介して診察していただきます。

C型肝炎ウイルスに感染すると、肝臓に炎症がおこります。
持続感染によって、「慢性肝炎」→「肝硬変」→「肝がん」という変化をおこします。
無治療で放置しておくと「肝がん」になってしまう可能性があるため、しっかりと対応することが大切です。

肝臓は沈黙の臓器といわれ、多少の障害をうけても症状があらわれにくいことが多いです。
症状はないけど、検査をしてはじめて肝臓の異常がわかることが多いです。
ちなみに、急性肝炎などの肝機能障害によって、「全身倦怠感」「食欲不振」「黄疸」などの症状が現れます。
また、重症化して肝機能不全になると、「腹水」がたまったり、「意識障害」などの症状が出てきます。

C型肝炎ウイルスの感染がわかった場合には、消化器内科(とくに肝臓を専門としている専門医)に診察をしていただき、必要があれば妊娠中でも治療をすることが重要です。

C型肝炎の赤ちゃんの感染予防

感染経路
成人におけるC型肝炎ウイルスの感染経路は、血液や性行為を介して感染する「水平感染」がほとんどです。とくに「針の使いまわし」や、「輸血」による血液を介する感染が多いです。
一方、赤ちゃんにおけるC型肝炎ウイルスの感染経路は、産道感染による「垂直感染」がほとんどです。ごくまれに胎内で胎盤を通じた感染がおこることが報告されています。
また、赤ちゃんが産まれたあとに血液などを介して感染する「水平感染」の可能性もあります。

授乳はどうするか?
HCV-RNA定量検査で検出された場合でも、母子感染予防のために母乳栄養を制限する必要はないです。
母乳中に万が一血液が混在して感染の心配があるという人がいるかとおもいます。
しかし、母乳保育と母子感染率には関連がないという報告があり、母子感染予防のために母乳栄養を制限する必要はないです。
母乳栄養は赤ちゃんにとってさまざまなメリットがあります。不必要な制限をおこなう必要はありません。

分娩方法はどうするか?
分娩方法を「帝王切開術」にするか「経腟分娩」にするかは賛否両論あるところです。
帝王切開によってC型肝炎ウイルスの母子感染を下げる可能性は示唆されています。
しかし、海外での大規模研究では帝王切開によってC型肝炎ウイルスの母子感染を下げる可能性が否定されていること、帝王切開によってC型肝炎ウイルスの母子感染を完全に防げないこと、C型肝炎ウイルスの母子感染を予防する方法が確立されていないことなどから、分娩方法を決めるには相談が必要です。

実際には「帝王切開術によるリスク」と、「赤ちゃんにC型肝炎ウイルスが感染した場合の経過」を考慮したうえで相談することになります。

「帝王切開術によるリスク」は、出血・感染・臓器損傷など手術リスク、反復帝王切開の前置・癒着胎盤、子宮破裂リスクなどあります。

「赤ちゃんにC型肝炎ウイルスが感染した場合の経過」は、3-4歳までにHCV-RNAが自然消失しやすいこと、小児期の肝病変の進行はおだやかであること、小児期のC型慢性肝炎の治療効果が高いことなどの特徴があります。

ただし、分娩方法を「帝王切開術」と「経腟分娩」のいずれを選んだ場合も、産まれた赤ちゃんのフォローアップはおこなわれます。

まとめ

妊娠初期のC型肝炎の検査である「HCV抗体」が陽性の場合、追加検査をしてC型肝炎ウイルス量「HCV-RNA定量検査」をおこないます。

「HCV-RNA定量検査」で検出された場合は、妊婦さん自身の肝臓が大丈夫なのか専門医に診察してもらいます。必要があれば妊娠中でも治療をおこなうことがあります。

C型肝炎の母子感染予防のために、帝王切開を選択するかは担当医との相談が必要です。なお、授乳を制限する必要はないです。

妊娠中ですがB型肝炎の検査でひっかかりました【母子感染症】

結論ですが

・妊娠初期のB型肝炎の検査が陽性の場合、追加検査をしてB型肝炎の活動性をしらべます。
・妊婦自身の肝臓が大丈夫なのか検査して必要があれば治療します。
・赤ちゃんへの感染予防をします。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

妊婦健診では、血液検査でB型肝炎の抗原の検査をおこないます。
その検査結果でひっかかってしまった場合について説明します。

具体的には
「B型肝炎ウイルスの追加検査をする」
「肝臓が大丈夫なのか評価する」
「赤ちゃんへの感染予防をする」
の流れで説明していきます。

今回は、妊娠中の検査の「B型肝炎」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

・妊娠初期のB型肝炎の検査である「HBs抗原」が陽性の場合、追加検査をしてB型肝炎の活動性をしらべます。

・妊婦さん自身の肝臓が大丈夫なのか専門医に診察してもらいます。

・B型肝炎の母子感染予防のために、赤ちゃんが産まれたあとに「B型肝炎ワクチン」と「B型肝炎グロブリン」の注射をします。

B型肝炎の検査

妊娠初期に妊婦さん全員に血液検査をおこないます。
そこで「HBs抗原」というB型肝炎ウイルスの検査がおこなわれます。

HBs抗原が陽性の場合は、ほとんどがB型肝炎のキャリアということになり、B型肝炎の活動性を調べるために追加の検査をおこないます。

血液検査で、「ALT」「AST」などの肝機能検査や、「HBe抗原」というB型肝炎ウイルスの検査をおこないます。
必要があれば、「B型肝炎ウイルスのDNA量」など検査します。

「肝機能異常」があったり、「HBe抗原」が陽性の場合は、ウイルスの活動性が高く妊娠中でもB型肝炎に対する治療も考慮しなければならないです。
また、赤ちゃんへの感染リスクも高くなるので、後ほど説明する母子感染予防策もしっかりとおこなう必要があります。

B型肝炎の妊婦の対応

B型肝炎ウイルスの感染がわかった場合には、消化器内科(とくに肝臓を専門としている専門医)に紹介して診察していただきます。

B型肝炎ウイルスに感染すると、肝臓に炎症がおこります。
持続感染によって、「慢性肝炎」→「肝硬変」→「肝がん」という変化をおこします。
無治療で放置しておくと「肝がん」になってしまう可能性があるため、しっかりと対応することが大切です。

肝臓は沈黙の臓器といわれ、多少の障害をうけても症状があらわれにくいことが多いです。
症状はないけど、検査をしてはじめて肝臓の異常がわかることが多いです。
ちなみに、急性肝炎などの肝機能障害によって、「全身倦怠感」「食欲不振」「黄疸」などの症状が現れます。
また、重症化して肝機能不全になると、「腹水」がたまったり、「意識障害」などの症状が出てきます。

B型肝炎ウイルスの感染がわかった場合には、消化器内科(とくに肝臓を専門としている専門医)に診察をしていただき、必要があれば妊娠中でも治療をすることが重要です。

B型肝炎の赤ちゃんの感染予防

感染経路
成人におけるB型肝炎ウイルスの感染経路は、血液や性行為を介して感染する「水平感染」がほとんどです。とくに「針の使いまわし」や、「輸血」による血液を介する感染が多いです。
一方、赤ちゃんにおけるB型肝炎ウイルスの感染経路は、産道感染による「垂直感染」がほとんどです。陣痛が来る前の胎内での感染もごくまれですが報告があります。
また、赤ちゃんが産まれたあとに、血液などを介して感染する「水平感染」の可能性もあります。

赤ちゃんへの感染予防
B型肝炎の母子感染予防は、1995年から国家事業として確立されておこなわれています。
適切に予防対策をとられた赤ちゃんに感染はほとんどみとめられていません。
なので、分娩は帝王切開の必要はなく経腟分娩でいいです。
また、母乳感染は否定的であり、母乳栄養を制限する必要はないです。

具体的な感染予防法

HBs抗原検査陽性の場合には、生後できるだけ早く(できれば出生後12時間以内)に「B型肝炎ワクチン」と「B型肝炎グロブリン」の注射をします。
そして、生後1カ月・生後6カ月で「B型肝炎ワクチン」の注射をします。
つまり「B型肝炎ワクチン」は計3回、「B型肝炎グロブリン」は1回おこないます。

そして、生後9-12カ月でB型肝炎の検査(HBs抗原・HBs抗体)をおこないます。
HBs抗原が陽性の場合は、B型肝炎のさらなる検査が必要であり、専門医療機関に紹介します。
HBs抗原が陰性の場合でも、HBs抗体が陰性の場合には、抗体をつけるために追加の「B型肝炎ワクチン」の注射をおこないます。
HBs抗原が陰性の場合で、HBs抗体が陽性の場合には、「B型肝炎の予防成功」と判断します。

まとめ

妊娠初期のB型肝炎の検査である「HBs抗原」が陽性の場合、「肝機能」や「HBe抗原」などの追加検査をしてB型肝炎の活動性をしらべます。

「HBs抗原」が陽性の場合、妊婦さん自身の肝臓が大丈夫なのか専門医に診察してもらいます。

B型肝炎の母子感染予防のために、赤ちゃんが産まれたあとに「B型肝炎ワクチン」と「B型肝炎グロブリン」の注射をします。

妊娠中の風疹の抗体価検査でひっかかりました【風疹抗体価】

結論ですが

・風疹抗体価が高いと、今現在風疹に感染している可能性があります。
・風疹抗体価が低いと、風疹に感染する可能性が高いです。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

妊婦健診では、血液検査で風疹の抗体価の検査をおこないます。
その検査結果でひっかかってしまった場合について説明します。

「再度の検査が必要です」とか
「産後に風疹ワクチン受けてね」とか

いわれるかと思いますが、なぜそうするのかよくわからないかと思います。

今回は、妊娠中の検査の「風疹抗体価」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

・風疹抗体価が高い場合は、再検査をおこない妊娠中の感染か判断します。
・妊娠中の風疹感染によって「先天風疹症候群」という赤ちゃんの一生にも関わる重大影響がおこりえます。

・風疹抗体価が低い場合は、産後の風疹ワクチン接種をすすめます。
・風疹はワクチン接種によって予防できる感染症です。風疹感染を予防することで、大切な赤ちゃんを守ることが大切です。

風疹の抗体価が高い場合

妊娠初期に血液検査で風疹抗体価(HI)測定をおこないます。

そこで風疹の抗体価が高い(HI抗体価が256倍以上)場合は、
・今現時点で風疹にかかっている可能性
・以前に風疹にかかったことがある可能性
があります。

それらを判断するために、時間をあけてもう一度風疹の抗体価を検査します。
抗体価が上昇傾向であり、「IgM」という抗体が高いようであれば、今現時点での風疹感染が疑われます。
とくに「発熱」「発疹」「リンパ節腫大」「関節痛」など風疹感染の症状があった場合や風疹患者との明らかな接触があった場合には風疹感染がつよく疑われます。

再検査で抗体価が横ばいで「IgM」が高くないのであれば、以前に風疹にかかったことがあり、そのときの抗体が残っている「既感染パターン」にあたります。
その場合は、妊娠中の風疹感染ではないため心配はいりません。

妊娠中の風疹感染の影響

妊娠中に風疹感染するとお腹の赤ちゃんに多大な影響をあたえます。

風疹ウイルスは胎盤を通じて移行して赤ちゃんにも感染してしまい、「先天風疹症候群」という先天異常が生じる可能性があります。

白内障
赤ちゃんは産まれたあと、「見ること」を通して視力を獲得していきます。
白内障があると、うまく「見ること」ができず視力を獲得していくことが出来なくなります。
すると一生視力が低いままの状態となってしまう可能性があります。
赤ちゃんの視力を守るために、白内障であると早めに気づいて診断すること、白内障の治療をおこなうことがとても重要です。

難聴
視力とおなじように、赤ちゃんは産まれたあと「聞くこと」を通して聴力を獲得していきます。
難聴があると、うまく「聞くこと」ができず聴力を獲得していくことが出来なくなります。
また、出生後は聴力は問題ない場合も、成長とともに難聴が生じる場合があります。
定期的に聴力を評価して、難聴を早期発見して、聴力リハビリテーションなどにつなげることが大切です。

心臓の形態異常
「動脈管開存症」「肺動脈狭窄症」「心房中隔欠損症」などの心臓や血管の形態異常が認められます。
とくに、心不全兆候・心臓の雑音・チアノーゼなどの症状をみとめる場合には、早めの心臓や血管の評価が必要になります。症状の具合によって、定期的に経過をみていくか、手術ふくめ治療をどうするか考えていきます。
つまり、先天風疹症候群になると、赤ちゃんの「視力」「聴力」がうばわれてしまう可能性があるのと、「心臓」「血管」への影響がでてきます。

妊娠中の風疹感染によって、赤ちゃんの一生にも関わる重大な影響がおこります。

風疹の抗体価が低い場合

抗体価が低い(HI抗体価が16倍以下)場合は、風疹に対する免疫が低い状態であり妊娠中に風疹感染がおこる危険性があります。

妊娠期間中は、出来るだけ風疹患者と接触しないように心がけましょう。
「風疹にかかりやすい小さなこどもとの接触を避ける」
「風疹が流行している場所を避ける」
など心がけましょう。

とはいっても、現実問題だれが風疹にかかっているかわからないので、これはかなり難しいかとおもいます。
しかも、妊娠中は生ワクチンである風疹ワクチンを打つことはできないので、風疹にかからないように願うことくらいしか出来ません。

風疹の抗体価が低い場合は、お産が終わった後は風疹ワクチンを打つようにしましょう。
次回の妊娠への備えになりますし、社会全体として抗体をあげることにつながります。

また、母親自身だけでなくパートナーふくめ同じ空間で生活をともにしている人がいれば風疹予防に関する意識が重要となります。
風疹ワクチンを接種したことのない人は、是非とも受けましょう。

風疹はワクチン接種によって予防できる感染症です。
風疹感染を予防することで、大切な赤ちゃんを守ることが大切です。

まとめ

風疹抗体価が高い場合は、再検査をおこない妊娠中の風疹感染か、以前の風疹感染「既感染パターン」かを判断します。

妊娠中の風疹感染によって「先天風疹症候群」という赤ちゃんの一生に関わる重大な影響がおこりえます。

風疹抗体価が低い場合は、産後の風疹ワクチン接種をすすめます。

風疹はワクチン接種によって予防できる感染症です。風疹感染を予防することで、大切な赤ちゃんを守ることが大切です。

GBSってなんですか?【母子感染症】

結論ですが

・GBSとは細菌の種類のことであり、赤ちゃんに産道感染することがあります。
・産道感染を予防するために分娩時期に抗生剤を使います。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

妊婦健診でこのGBSの検査をおこないます。
とくに分娩時期が近づく妊娠後期にGBSの検査をおこないます。

GBSの結果をきくことになりますが、「GBSってなんだろう?」と疑問に思う人はおおいです。

とくに医療では、アルファベットの略語がおおく、よくわからない場面は多々あるかとおもいます。

検査結果は問題なければ、そんなに気にすることはないかと思いますが、検査結果が陽性だった場合は、自分の赤ちゃんを守る意味でもしっかりと理解しておくことが大切です。

今回は、妊娠中の検査でわかる「GBS感染」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ
・GBSとは「Group B Streptococcus」の略でありB群溶血性連鎖球菌という細菌の種類です。
・GBSは分娩時に赤ちゃんに産道感染することがあり、「肺炎」「髄膜炎」「敗血症」などをきたし、最悪の場合は死亡することや重篤な後遺症を残すことがあります。
・GBSの産道感染を予防するために、分娩時に抗生剤を使用します。

GBSってなんですか?

GBSとは「Group B Streptococcus」の略でありB群溶血性連鎖球菌という細菌の種類です。

このGBSは、とくに症状がない女性の腟内に存在していることもあり、成人女性の約20%が腟内常在菌としてみとめられます。
GBSは、分娩時に赤ちゃんへ産道感染をひきおこすため、分娩時期が近づくとGBSの検査がおこなわれます。

どのようにGBSを検査おこないますか?

分娩時期が近くなった妊娠後期(だいたい妊娠35週から37週ころ)に、このGBSの検査をおこないます。
腟の入り口や肛門の周囲から分泌物を採取して、GBSが存在しているか検査します。

検査結果が出るまでには時間がかかるので、次の受診のときに説明することが多いです。

ただし、帝王切開での分娩の場合は、赤ちゃんへの産道感染はおこらないので、GBSの検査は必要ないです。

赤ちゃんへのGBS感染の影響は?

GBSが赤ちゃんに産道感染した場合、新生児GBS感染症を発症します。

「肺炎」を引き起こし、「発熱」「呼吸器症状」「哺乳障害」などの症状をきたします。
また、重症化すると「敗血症」「髄膜炎」に進行し、「意識障害」などきたし最悪の場合は死亡することもあります。また、生存した場合も重篤な後遺症を残すこともあります。

GBSが陽性の場合どうすればいいですか?

GBS検査が陽性の場合、お産のときの赤ちゃんへの産道感染を予防するために、「抗生剤」をつかいます。
これから分娩がはじまるタイミングである、「陣痛発来」や「破水」した場合に抗生剤をつかいはじめます。

基本的には、「ペニシリン系」の抗生剤をつかいますが、アレルギーのある場合には「マクロライド系」「セファロスポリン系」などの抗生剤をつかいます。
抗生剤のアレルギーがある場合は、かならず伝えましょう。

まとめ

GBSとは「Group B Streptococcus」の略でありB群溶血性連鎖球菌という細菌の種類です。

GBSは分娩時に赤ちゃんに産道感染することがあり、「肺炎」「髄膜炎」「敗血症」などをきたし、最悪の場合は死亡することや重篤な後遺症を残すことがあります。

GBSの赤ちゃんへの産道感染を予防するために、分娩時に抗生剤を使用します。

妊娠中の検査で「クラミジア」といわれました【クラミジア感染】

結論ですが

妊娠中の検査で「クラミジア」といわれた場合には

・しっかりと治療をすること
・感染を広げないようすること

が大切です。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

母子感染予防のために、妊娠した人全員にクラミジア検査がおこなわれます。
とくに性器クラミジアの検査として、子宮入り口にクラミジアがいるか検査をします。
そして、検査でクラミジア感染が判明した場合には、しっかりと治療することが大切です。

今回は、妊娠中のクラミジア感染について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

・クラミジア感染の治療は「妊娠中に使用できる薬をつかう」「治療効果を判定する」「治療中は性行為をひかえる」ことが重要です。
・赤ちゃんが産道感染した場合、「結膜炎」「咽頭炎」「肺炎」などが引き起こされます。また、炎症によって「流産」や「早産」の原因になることもあります。
・クラミジア感染をひろげないために、「パートナーの検査・治療」「口腔内クラミジアの確認」「コンドームの使用」が大切です。

・そして一番重要な点ですが、
妊娠中の検査で「クラミジア」といわれた場合には
「しっかりと治療をすること」
「感染を広げないようすること」
が重要です。

クラミジア感染の治療

クラミジア感染は、「性行為」で感染したり、「産道感染」などおこします。
お腹の赤ちゃんのために、しっかりと確実に治療することが大切です。
治療をするうえで重要な3つのポイントを説明していきます。

①妊娠中に使用できる薬をつかう
②治療効果を判定する
③治療中は性行為をひかえる

①妊娠中に使用できる薬をつかう
クラミジア感染の治療として抗生剤をつかいます。
「アジスロマイシン」「クラリスロマイシン」「ミノサイクリン」「ドキシサイクリン」「レボフロキサシン」「トスフロキサシン」などの種類の抗生剤があります。
その中で、妊娠中の性器クラミジア感染の治療として妊娠中にも安全に使うことができる「アジスロマイシン」「クラリスロマイシン」が使われます。

②治療効果を判定する
「アジスロマイシン」「クラリスロマイシン」を使用すると、ほぼ確実に治療できます。
ただし、ごくまれにそれら抗生剤の効果が効きにくい状態があったり、ピンポン感染などで治療後に再びクラミジア感染をおこしてしまうことがあります。
治療が不十分となる可能性があるので、クラミジアの治療をして3-4週間後に確実に治療されているか検査をしてかならず治療効果を判定します。

③治療中は性行為をひかえる
クラミジア感染は性行為によって感染がひろがります。
たとえ妊娠中であっても、感染を広げないように性行為をひかえてください。
性行為をひかえることも治療のひとつです。
かならず、治療効果を判定してから性行為を再開するようにしましょう。

クラミジア感染の赤ちゃんへの影響

子宮の入り口にクラミジア感染していた場合、お産のとき赤ちゃんが産道をとおるときにクラミジア感染する可能性があります。
産道をとおるときに感染することを「産道感染」といいます。

赤ちゃんが産道感染した場合、「結膜炎」「咽頭炎」「肺炎」などが引き起こされます。
また、性器クラミジア感染によって、炎症がひきおこされ「流産」や「早産」の原因になることもあります。

それらを予防するために、妊娠した人は全員にクラミジアのスクリーニング検査がおこなわれます。検査でクラミジア感染が判明した場合には、しっかりと治療することが大切です。

クラミジア感染を広げないようにするために

クラミジアは性行為によって感染がひろがります。
治療とともに感染が広がらないように対策するという視点が大切になります。
クラミジア感染を広げないようにするための3つのポイントを説明していきます。

①パートナーの検査
②口腔内クラミジアの確認
③コンドームの使用

①パートナーの検査
クラミジア感染している場合、性行為をしている相手にもクラミジア感染していることがあります。クラミジアは無症状でも感染していることがあります。
もし、パートナーがクラミジア感染していた場合、自分が治療をうけてなおっても、またパートナーからうつされてしまう「ピンポン感染」をすることがあります。
かならず、パートナーにも検査や治療をうけることをすすめましょう。

②咽頭クラミジアの確認
近年oral sexによるクラミジアの咽頭感染がおおくなっています。
性器と咽頭が同時にクラミジア感染していることもあります。
とくに咽頭クラミジア感染では治療に時間がかかることがあります。
咽頭クラミジアの可能性がある場合には、咽頭からクラミジア感染が広がっていかないように検査をしてしっかりと治療することが大切です。
また、性器クラミジアと同様に治療効果の判定をおこないます。

③コンドームの使用
妊娠している場合、コンドームをつけるという発想はないかとおもいます。
しかし、クラミジアふくめ性感染症を予防するためにコンドーム着用は有効です。
また、精液にふくまれるプロスタグランジンという成分が子宮収縮の作用があり「流産」や「早産」につながる可能性があります。
妊娠中も性行為にはコンドームを使用することをすすめます。

まとめ

クラミジア感染の治療は「妊娠中に使用できる薬をつかう」「治療効果を判定する」「治療中は性行為をひかえる」ことが重要です。

赤ちゃんが産道感染した場合、「結膜炎」「咽頭炎」「肺炎」などが引き起こされます。また、炎症によって「流産」や「早産」の原因になることもあります。

クラミジア感染をひろげないために、「パートナーの検査・治療」「口腔内クラミジアの確認」「コンドームの使用」が大切です。

そして一番重要な点ですが、
妊娠中の検査で「クラミジア」といわれました場合には
「しっかりと治療をすること」
「感染を広げないようすること」
が重要です。

生理ではないのですが出血します、どうすればいいですか?【不正性器出血】

結論ですが

生理ではないのですが出血する場合には
・可能であれば自分で出血する部位を確認する
・医療機関を受診をすること

が大切です。

この記事は、婦人科を受診するかどうするか悩んでいる人向けに書いています。
女性の健康・病気などに関するさまざまな疑問・悩み・不安などが解決できればとおもっています。

いつもは生理が順調にきているのに、生理のタイミング以外のときにふと下着をみると、出血が付着していたら驚いてしまうかと思います。
生理以外の出血を「不正性器出血」や「不正出血」といわれます。
今回は、「不正性器出血」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめです

・出血している部分を確認し、性器出血であれば「婦人科」受診を、血尿であれば「泌尿器科」受診を、血便であれば「消化器科」受診をすすめます。

・不正性器出血の原因には、「妊娠性」「機能性」「外傷性」「子宮病変」「腟外陰病変」などがあります。

・不正性器出血の検査には、「視診」「腟鏡診」「エコー」「妊娠検査」「血液検査」などがあります。

そして一番重要な点ですが、
生理ではないのですが出血する場合には
「可能であれば自分で出血する部位を確認すること」
「医療機関を受診をすること」
が重要です。

出血の部位を確認する 

下着に出血が付着した場合は、まず出血の部位を確認することが大切です。

たとえば…
腟口から出血を認める場合は「性器出血」といわれます。
また、おしっこに出血をみとめる場合は「血尿」といわれます。
便に出血をみとめる場合は「血便」といわれます。

腟口・尿道口・肛門の3つの穴があります。
下着に出血が付く場合は、その3つの穴のどこから出血しているのか確認することが重要です。
つまり、「性器出血」なのか、「血尿」なのか、「血便」なのか評価することが大切です。

可能であれば、自分で確認してみましょう。

そして
「性器出血」であれば、「婦人科」受診を
「血尿」であれば、「泌尿器科」受診を
「血便」であれば、「消化器科」受診を
すすめます。

血尿の原因 

おしっこに出血をみとめる場合「血尿」と言われます。

腎臓でおしっこが作られ、尿管を通って、膀胱の中におしっこが貯められます。
そして、尿道を通っておしっこが出てきます。
おしっこの通り道から出血があると、「血尿」となります。

原因として、尿路結石や膀胱炎などがあります。

「泌尿器科」を受診して診察を受けましょう。
場合によっては「腎臓内科」の分野になることもありますが、頻度をかんがえるとまずは「泌尿器科」の受診をすすめます。

血便の原因

口から入った食べ物は、胃・十二指腸、小腸・大腸を通過して肛門から排泄されます。

その食べ物の通り道から出血があると、「血便」となります。

なお、上の方にある胃や十二指腸など消化管から出血した場合は「黒色便」となることが多く。
下の方にある大腸や肛門などから出血した場合は「鮮血」となる場合が多いです。

原因として、痔や大腸ポリープなどがあります。
「消化器科」を受診して診察を受けましょう。

不正性器出血は、どのような原因がありますか?

妊娠性
生理だとおもっていたら、じつは妊娠をしていて「妊娠の異常」にともなう出血だとわかることがあります。とくに、生理がもともと不順であった場合や、生理がズレている場合は妊娠の可能性を念頭に入れます。

妊娠性の出血原因として「切迫流産」「異所性妊娠」「絨毛性疾患」などがあります。
このなかで「切迫流産」の頻度が多いです。
「異所性妊娠」は大量出血から命をおとす可能性があるため、見逃してはいけない疾患です。
稀ですが、「絨毛性疾患」も念頭にいれて診察をします。

機能性
だいたい月経14日目前後で排卵がおこり、排卵時に卵巣から出血することがあります。
その出血が、「卵管」を通り、「子宮内」を通り「排卵出血」がおこります。
本来の生理がくる時期でないタイミングで出血をすることになり「不正性器出血」としてみとめられます。

また、若い人でおおいですが、生理に関係するホルモンや子宮内環境がととのっておらず、「破綻出血」が起こることがあります。
本来であれば、「子宮内膜が十分厚くなる」→「女性ホルモンが低下」→「子宮内膜が剥がれる」という流れで生理がおこります。
しかし、「子宮内膜が十分厚くなる」前に「子宮内膜が剥がれる」ことで「破綻出血」がおこります。本来の生理がくる時期でないタイミングで出血をすることになり「不正性器出血」としてみとめられます。

外傷性
たとえば、性交渉、腟内に異物をいれたり、陰部を打撲したりして、腟や外陰部にダメージが加わり裂けてしまい、そこから出血している場合があります。
出血が出るようになったきっかけがあれば、しっかりと担当医につたえましょう。

子宮病変
出血の原因として、エコーなどの画像検査で「子宮の病変」がないか確認します。
「子宮筋腫」「子宮腺筋症」「子宮内膜ポリープ」「子宮頸管ポリープ」などがあります。
とくに子宮内膜が厚い場合は「子宮内膜増殖症」などの可能性があるため、子宮内膜の組織の検査(子宮体がんの検査にもなる)をおこないます。

また、出血の原因として「がん(悪性腫瘍)」が隠れていることもあります。
うたがわしい場合は、子宮頸がんや子宮体がんの検査などもおこないます。

腟外陰病変
とくに高齢女性のひとの場合、女性ホルモンが低下することによって「萎縮性腟症」という腟炎をおこしていることがおおいです。
その場合、すこしの刺激で出血しやすい状態になっており、不正性器出血の原因となります。また、出血の原因として、腟がん、外陰がんなどの「がん」であることがあります。
腟や外陰部に病変がないか見て確認します。

その他
「くすり」によって出血を来すことがあります。
たとえば、ピルの飲み忘れ、ディナゲストというくすりをのんでいる場合、血液をさらさらにするくすりが効きすぎているなどで不正性器出血を来すことがあります。
かならず、自分がのんでいるくすりがあれば、その情報をつたえましょう。

また、「出血しやすい病気」が隠されていることもあります。
原因として、「白血病」「先天性血液疾患」「自己免疫疾患」などがわかることが稀ですがあります。

不正性器出血では、どのような検査をしますか?

視診
外陰部をみて観察します。
表面に何か出血を来すような病変がないか見ていきます。
出血の出ている部分はどこなのか、量はどのくらい出ているかなどを確認します。

腟鏡診
腟鏡(クスコ)という器械を用いて、腟内や子宮の入り口付近を観察します。
出血している部分がどこなのか、腟炎やポリープなど出血をきたす病変がないかなど見て確認します。

エコー
エコーで、子宮の状態や卵巣が腫れていないか確認します。
とくに
「子宮内膜が厚さはどのくらいか」
「子宮筋腫や腺筋症などの病変がないか」
「妊娠の可能性がないか」
「卵巣の腫れがないか」
(卵巣が腫れている場合、ホルモン産生腫瘍の可能性があります)
などを確認します。

がん検診
出血の原因として「がん(悪性腫瘍)」が隠れていることもあります。
うたがわしい場合は、子宮頸がんや子宮体がんの検査などもおこないます。

妊娠検査
妊娠にともなう出血がうたがわしい場合は、おしっこをとって妊娠検査をおこないます。
これは、妊娠するときに産生される「hCG」というホルモンを調べる検査です。
必要があれば、おしっこだけでなく血液検査で「hCG」の値を調べることもあります。

血液検査
貧血の評価、血液のかたまりやすさなど検査します。
不正性器出血の量がおおく出血量がおおくなると「貧血」をきたします。
血液検査をして、「ヘモグロビン(Hb)」という値などをみて評価します。成人女性の場合、だいたいの目安ですが「ヘモグロビン(Hb)」が11以下の場合を「貧血」と判断します。

また、不正性器出血の原因として、「血液のかたまりやすさ」の異常で出血しやすい状態になっていないか確認します。
血液検査をして、「血液のかたまりやすさ」「血液をかためる成分の異常」などを評価します。

まとめ

出血している部分を確認し、性器出血であれば「婦人科」受診を、血尿であれば「泌尿器科」受診を、血便であれば「消化器科」受診をすすめます。

不正性器出血の原因には、「妊娠性」「機能性」「外傷性」「子宮病変」「腟外陰病変」などがあります。

不正性器出血の検査には、「視診」「腟鏡診」「エコー」「妊娠検査」「血液検査」などがあります。

そして一番重要な点ですが、
生理ではないのですが出血する場合には
「可能であれば自分で出血する部位を確認すること」
「医療機関を受診をすること」
が重要です。

妊娠中ですがお腹がはる感じがします【切迫早産】

結論ですが

妊娠中のお腹のはる感じがひどい場合には、

・かかりつけに連絡して相談する
・安静とハリ止めのくすりで治療する

ことが大切です。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

妊娠中にお腹がはるような感じがすることがあるかと思います。
人によってはお腹がはる感じがよくわからないこともあるかと思いますが、子宮が収縮して縮もうとしたときにお腹がはる感じを自覚します。
このお腹のはる感じを「腹部緊満感」といいます。

今回は、妊娠中の「お腹のはる感じ」があったときにどのようにすればいいかについて説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

・お腹のはる感じがあるときに、
「エコー」で子宮の入り口のながさを評価したり、
「内診」で子宮の入り口のひらき具合を評価したり、
「腟鏡診」で破水・出血の有無を確認したり
診察をおこないます。

・切迫早産と診断された場合は、おもに「安静」と「ハリ止めの薬」で治療していきます。
妊娠週数と重症度によって、「自宅」「入院」「高度な周産期センター」のどこを治療の場とするか判断します。

・そして一番重要な点ですが、
妊娠中のお腹のはる感じがひどい場合には、
かかりつけに連絡して相談すること
が大切です。

お腹は張ったときどうすればいいか?

結論ですが

妊娠中のお腹のはる感じがひどい場合には、
・かかりつけに連絡して相談することが大切です。

子宮が収縮して縮もうとしたときにお腹がはる感じを自覚します。
お腹のはりがひどくなると、子宮の収縮によって赤ちゃんを出そうとするチカラが働きます。
最悪、妊娠週数が浅いうちに赤ちゃんが娩出されてしまい、「流産」や「早産」になってしまうこともあります。

お腹のはる感じがある場合、今現在の「妊娠週数」が重要になります。
たとえば、ある程度妊娠週数が経って37週をこえた「正期産」の時期にある場合、赤ちゃんがじゅうぶん大きくなってお腹がはりやすくなっています。
その場合には、基本的には受診はせず自宅で様子をみてもらうことになります。

逆に週数が浅い場合は、「流産」や「早産」となる可能性があり、受診していただき診察などをして大丈夫なお腹のハリなのか確認することが多いです。
ちなみに、22週未満の分娩を「流産」、22週から37週未満の分娩を「早産」といいます。
流産になる可能性が高い状態を「切迫流産」、早産となる可能性が高い状態を「切迫早産」といい、今回は「切迫早産」を中心に説明していきます。

妊娠週数や、お腹のハリの状況によって、受診していただくか、自宅で様子をみてもらうか判断することになります。

妊娠中のお腹のはる感じがひどい場合には、かかりつけに連絡して、「受診するべきか」「自宅で様子をみてもいいのか」相談することが大切です。

切迫早産では、どんな診察をするのか?

エコー
腟口からエコーを挿入して、検査をします。
子宮の入り口の長さを測ったり、子宮の入り口の形を評価します。
とくに子宮の入り口の長さが25mm以下の場合には、早産リスクが高くなるので、入院もふくめて慎重に治療を検討します。

内診
腟口から内診指を挿入して、診察をします。
子宮の入り口の「開き具合」「硬さ」「向き」、「赤ちゃんの頭の高さ」などを評価します。
子宮の入り口が赤ちゃんが出やすい状態になっているのか判断します。

腟鏡診
腟鏡(クスコ)という器械を用いて、子宮入り口や腟内を観察します。
「破水」や「出血」がないかなど確認します。
子宮入り口の感染や炎症反応が切迫流産・早産の原因となりますが、必要があれば腟鏡診の際におりものを採取して、細菌感染がないか、炎症反応の指標となる検査などを調べます。

切迫早産では、どんな治療をするのか?

切迫早産と診断された場合は、主に「安静」と「ハリ止めの薬」で管理していきます。

切迫早産の治療は、
軽度であれば「自宅安静」と「ハリ止めの飲み薬」で外来で様子をみます。
重度であれば入院して治療します。主に「安静」と「ハリ止めの点滴」で入院管理していきます。

エコー検査で「子宮の入り口の長さ」をはかったり、モニターで「子宮の収縮」を評価して、ハリ止めの内服薬の錠数や点滴の量を調整していきます。

また、切迫早産が重度で、赤ちゃんの臓器が未熟な週数(妊娠34週未満)に産まれる可能性が高い場合は、「ステロイド」の注射薬を使用して、少しでも赤ちゃんの臓器が成熟するようにします。

切迫早産の「治療の場」

また、切迫早産の治療は、「治療の場」というの視点も大事になります。

たとえば、
軽度であれば「自宅」で様子をみます。
その場合は、「自宅安静」と「ハリ止めの飲み薬」で経過をみていくことになります。

重度であれば「入院」して治療します。
主に「安静」と「ハリ止めの点滴」で管理していきます。

妊娠週数が浅く、万が一赤ちゃんが未熟で出てきてしまう可能性が非常に高い場合は、一般的な産科施設でなく、NICUという産まれてくる赤ちゃんの集中治療室のある高度な周産期センターに転院になることもあります。

まとめ

お腹のはる感じがあるときには、
「エコー」で子宮の入り口のながさを評価したり、
「内診」で子宮の入り口のひらき具合を評価したり、
「腟鏡診」で破水・出血の有無を確認したり
診察をおこないます。

切迫早産と診断された場合は、おもに「安静」と「ハリ止めの薬」で治療していきます。
妊娠週数と重症度によって、「自宅」「入院」「高度な周産期センター」のどこを治療の場とするか判断します。

そして一番重要な点ですが、
妊娠中のお腹のはる感じがひどい場合には、
「かかりつけに連絡して相談すること」が大切です。

胃酸の逆流感がひどいです【妊娠中の症状】

結論ですが
妊娠中の胃酸の逆流感がひどい場合には、

・楽になるような「体勢」をみつける
・くすり(吐き気止め、胃薬など)をためしてみる

ことが大切です。

この記事は妊婦さん向けに書いています。
妊娠中のさまざまな疑問、不安などが解決できればとおもっています。

妊娠をして、赤ちゃんが大きくなってくると、お腹も大きくなってきます。
しかも、赤ちゃんはお腹の中で様々な動きをします。
赤ちゃんの動きを「胎動」とよばれます。
胎動がしっかりと感じられることは赤ちゃんが元気な証拠です。

しかし、胎動にともなって、赤ちゃんがお腹の中でパンチやキックをしたりして、圧迫症状に悩ませられることにもなります。

今回は、その圧迫症状のひとつである妊娠中の「胃酸の逆流感」について説明していきたいと思います。

この記事のまとめ

・赤ちゃんが大きくなるとともに圧迫症状がつらくなってきます。
・「赤ちゃんによる圧迫」「妊娠中のホルモンの影響で消化管の動きがわるいこと」が原因で、胃酸の逆流感がおこります。
・そして一番重要な点ですが、妊娠中の胃酸の逆流感がひどい場合には、
「楽になるような体勢をみつけること」
「くすり(吐き気止め、胃薬など)をためしてみること」
が大切です。

赤ちゃんが大きくなると圧迫症状がつらくなる

妊娠が経過するとともに、赤ちゃんが大きくなってきます。
そして赤ちゃんが大きくなるとともに、子宮もさらに大きくなっていき、お腹も大きくなっていきます。
赤ちゃんが発育していくことは喜ばしいことですが、赤ちゃんによる圧迫症状に悩まされることにもなります。

しかも、赤ちゃんはお腹の中で様々な動きをします。

たとえば…

・手足をむずむず動かしたり
・キックやパンチをしたり
・からだをよじったり
・ぐるっと回転したり
・しゃっくりをしたり

さまざまな動きをします。

おなかの中の赤ちゃんの動きを「胎動」といいます。
胎動があるということは、赤ちゃんが元気である証拠でもあります。
しかし、赤ちゃんが動くと、母親側はその圧迫症状で苦しむことにもなります。

圧迫症状はさまざまあります

消化管への圧迫症状
赤ちゃんが大きくなると胃や腸などの消化管も圧迫されます。
すると、今回のテーマである「胃酸の逆流感」や「みぞおちの不快感」「胸焼け」「吐き気」「食欲低下」などの症状が起こります。

妊娠初期に「つわり」がおこりますが、妊娠末期にも赤ちゃんが大きくなってなり、その圧迫症状で吐き気などつわりのような症状が出てくることになります。

横隔膜の圧迫症状
赤ちゃんが大きくなると、お腹の上の方にある横隔膜を圧迫されるようになります。
すると、呼吸が浅くなり、息切れを起こしやすくなったり、息があがりやすくなります。
ひどい場合には、過換気をおこすこともあります。

肋骨・恥骨への圧迫症状
赤ちゃんは、お腹の中で様々な動きをします。
お腹の中でパンチやキックして動いたり、赤ちゃんの体勢によっては、肋骨や恥骨あたりが圧迫によって痛みます。

お腹の重さによる体の痛み
圧迫症状ではないですが、お腹が大きくなるにつれて体への負担がかかり様々な部位が痛みます。
お腹の重さのため、腰まわりに負荷がかかり腰痛になってしまったり、
股関節や膝まわりなど負荷がかかる部位も痛くなります。
また、肩こりも起こりやすいです。

赤ちゃんは夜行性!?

基本的に赤ちゃんは夜行性です。
母親の活動量が少ないときに、母親から栄養をとるのに効率が良いからです。

赤ちゃんは夜うごくので、さきほどみてきた圧迫症状などで眠れなくなってしまうこともあります。
妊娠末期になると、お腹を下にすることも出来ないため、かなりしんどいと思います。

胃酸の逆流感の原因

胃酸の逆流感の原因として、
「赤ちゃんによる圧迫」
「妊娠中のホルモンの影響で消化管の動きがわるいこと」
の2つ挙げられます。

さきほどからみてきたように、赤ちゃんが大きくなると胃や腸などの消化管も圧迫され、「胃酸の逆流感」などがおこります。

また、妊娠中のホルモン状態は、消化管の動きがわるくなります。
そのため、「胃酸の逆流感」が起こりやすくなったり、「便秘気味」になりやすいです。

胃酸逆流感への対応

胃酸の逆流感への一番の治療法は、赤ちゃんが産まれて妊娠自体がおわることです。
とはいえ、いつ赤ちゃんが産まれるかわかりませんし、まだ産まれてはいけない週数かもしれません。

妊娠中の「胃酸の逆流感」や「圧迫症状」がすこしでも改善できるように、

・楽になるような体勢をみつけること
・くすり(吐き気止め、胃薬など)をためしてみること

が大切です。

吐き気止めや胃薬などのくすりは、もちろん妊娠中でも安全につかえるものがあります。

まとめ

赤ちゃんが大きくなるとともに圧迫症状がつらくなってきます。

消化管への圧迫症状として「胃酸の逆流感」などが起こります。
横隔膜への圧迫症状として「息切れ」などが起こります。
肋骨・恥骨への圧迫症状として、肋骨や恥骨が痛みます。

「赤ちゃんによる圧迫」「妊娠中のホルモンの影響で消化管の動きがわるいこと」が原因で、胃酸の逆流感がおこります。

一番重要な点ですが、
妊娠中の胃酸の逆流感がひどい場合には、
・楽になるような体勢をみつけること
・くすり(吐き気止め、胃薬など)をためしてみること
が大切です。